■実はあの有名映画のゲーム化だった!? 『ラフ ワールド』

 最後は、1990年に発売された『ラフ ワールド』を紹介する。

 本作は、人口が増えたことで地球だけでは人類が生活できなくなってしまった未来が舞台だ。プレイヤーは主人公・ジェイとなり、殺された父の敵討ちと人類を救う“シリウス・プロジェクト”成功のために敵地に乗り込むSFアクションシューティングゲームである。

 全5ステージ構成の硬派な横スクロールゲームで、通常装備であるハンドガンとショットガンのほか、素早い連射攻撃ができるマシンガン、追尾式ミサイルのホーミングミサイル、最高破壊力を誇るグレネードランチャーなど、さまざまな武器を状況に応じ駆使しながら進んでいく。

 また、本作にはさまざまなタイプの魅力的な敵ロボットが登場するが、実は1984年(日本では1985年)に公開された映画『ターミネーター』のゲーム化として企画されたものだった。

 サンソフトはライセンスを取得し開発を進めていたのだが、原作映画のストーリーに沿っていないことを理由にライセンスが取り消されてしまった。そのため、設定やキャラクターを変更し、『ラフ ワールド』として発売したそうだ。

『ターミネーター』でお馴染みのTー800風のロボットが登場するのも、そういった経緯の名残だろう。幻の『ターミネーター』ゲームであった。

 

 今回は、サンソフトのファミコン時代の名作3選を紹介してきた。いずれのソフトもオリジナリティに溢れ、強いこだわりを感じるものばかりだ。

 サンソフトは老舗ゲームブランドながら、現在でも意欲的にゲームを作り続けている魅力的な会社だ。2024年発売予定の『アークオブカロン(Ark of Charon)』も、これまで培ったゲーム作りの伝統や意志を受け継いだ一作となることだろう。非常に期待が高まる。

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