日本の誇るゲームブランド「サンソフト」から、タワーディフェンスとコロニーシムを融合させた完全新作PCゲーム『Ark of Charon(アークオブカロン)』が発表された。次々と魔物が襲ってくるなか、まるで獣のように動く巨大な“世界樹の苗木”を苗床まで導くという興味深い内容の新規IPとなっている。
ファミコン世代の筆者からすると「サンソフト」といえば古くは1985年の『いっき』が有名で、ほかにも多数の名作ソフトを開発してきた、とても馴染み深いゲームブランドだ。
そこで今回は、サンソフトが発売したファミコン時代の名作3選をあらためて紹介していきたい。
■コミカルでシュールなキャラクターがかわいい『へべれけ』
まずは、1991年に発売されたアクションゲーム『へべれけ』を紹介する。“うっちー”こと打道良二氏によるキャラクターデザインも個性的かつ印象的な、まさにサンソフトを代表するタイトルのひとつだ。
プレイヤーは次元の狭間に落ちてしまった主人公・青いニット帽を被った白い謎の生物“へべ”となり、もとの世界に戻るために広大なマップを冒険していく。コミカルでかわいい見た目とは裏腹に、『メトロイド』や『悪魔城ドラキュラ』を思わせる本格的な探索型アクションゲームで、なかなかに難易度も高めだった。
途中ボスとして登場し仲間になる3人のキャラ、水面氷上が得意な“おーちゃん”、宙に浮いている“助左衛門”、水に潜れる“ヂェニファー”と、それぞれの個性を生かしたアクションも面白かった。また、ファミコン後期ということもあり、グラフィックやBGMのクオリティもかなり高い。
その後、『へべれけ』はそのかわいいキャラクターや世界観を活かし、落ち物パズルや格闘アクションなど、シリーズでさまざまなジャンルのゲームが開発された。また、現在でも多数の関連グッズが発売されたり、キャラクターを使った動画が公式から定期的に配信されたりと、サンソフトのブランドマスコット的なポジションとなっている。
■クセ強めの和風アクションゲーム『かんしゃく玉なげカン太郎の東海道五十三次』
次は、1986年に発売された『かんしゃく玉なげカン太郎の東海道五十三次』だ。
本作は、主人公の花火職人・カン太郎となり、悪徳商人・剛左衛門一味を倒し恋人のももこが待つ江戸へたどり着くことを目的とした“日本”を強く感じる和風横スクロールアクションゲームだ。
ステージ構成も京都の三条大橋からはじまる東海道を進んでいき、ももこのいる浅草がラストステージとなっている。また、敵キャラクターも忍者や浪人、僧侶に鷹匠など、和風のキャラクターが登場し、さらには「ひとりげーむ」「はいすこあ」など、ゲームフォントはアルファベットのみならずカタカタさえ使わないというこだわりぶりだ。
肝心のアクションだが、本作はなかなかクセが強い。主人公が花火職人という設定だけに武器は花火の“かんしゃく玉”なのだが、射程も短く、放物線を描いて飛ぶので初心者にとっては敵に当てるだけでも苦労するかもしれない。逆に、こちらは敵や敵の飛び道具に一度でも接触すると死んでしまう。
本作は“レトロゲームあるある”の、なかなか熟練した操作スキルを要求される高難易度ゲームだった。