『魁!!男塾 疾風一号生』に『ろくでなしBLUES』、『タルるートくん』も…『週刊少年ジャンプ』ファミコンのプチレアタイトルも名作揃いだったの画像
ファミコンソフト『魁!!男塾 疾風一号生』(ふたまん+編集部撮影)

 漫画を原作とするゲームソフトは、今も昔も大人気だ。とくに80年〜90年代の『週刊少年ジャンプ』(集英社)の“黄金期”は当時のファミコンブームとも重なり、ファミコン『キン肉マン マッスルタッグマッチ』は100万本、さらに『北斗の拳』は150万本を超える大ヒットとなった。

 もちろん、ジャンプ黄金期のファミコンソフトはこの2本だけじゃない。漫画も素晴らしいが、ゲームも名作揃いだった。そこで今回は、少し珍しい『週刊少年ジャンプ』ファミコンのプチレアタイトルを紹介していく。

■キャラの性能を生かして戦う『魁!!男塾 疾風一号生』

 まずは1989年にバンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売された、『魁!!男塾 疾風一号生』を紹介する。原作は1985年から1991年まで連載された、宮下あきら氏の『魁!!男塾』だ。

 本作は、全国から不良少年たちが集まる“男塾”を舞台に主人公の男塾一号生・剣桃太郎をはじめとした少年たちが死闘を繰り広げるバトル漫画である。

 そして、ファミコンソフト『魁!!男塾 疾風一号生』は、そんな原作を生かした横スクロールのバトルアクションゲームとなっている。

 剣桃太郎、富樫源次、虎丸龍次、Jの男塾一号生4人を駆使して行く手を阻むトラップ満載のステージを進み、最後に待つボスを倒せばステージクリアとなる。キャラごとに性能差があって、適材適所で選択し攻略していく楽しみがあった。

 ボスたちも独眼鉄、男爵ディーノなど原作に登場した個性的豊かなキャラばかり。さらに雷電、飛燕、月光、そして伊達臣人の4人はそれぞれ攻略後に使用可能となるので、原作ファンにとっては熱い展開だった。

 本作のラスボスは、もちろん男塾三号生筆頭・大豪院邪鬼だ。ちなみに、原作登場時には巨人かと思えるほど大きかった邪鬼だが、本作ゲームではのちの通常の人間サイズとなっていた。

■お馴染みのキャラたちの登場が嬉しい…グラフィックも素晴らしかった『ろくでなしBLUES』

 次は、1993年にバンダイから発売されたファミコンソフト『ろくでなしBLUES』を紹介する。

 原作は、『ROOKIES』でお馴染みの森田まさのり氏が描いた学園ヤンキー漫画『ろくでなしBLUES』だ。男気ある不良高校生・前田太尊とその仲間が、自他校の生徒たちとケンカや抗争を繰り広げていくストーリー。1988年から1997年まで連載され、熱い展開が人気の作品だったが、ところどころで挟まれるギャグ回も印象深い。

 そんな原作をベースにしたファミコンソフト『ろくでなしBLUES』は、RPG風アドベンチャーゲームだ。敵との戦闘はコマンド式バトルで、プレイヤーは主人公の太尊となってフィールドを探索し、ストーリーを進めていく。

 登場キャラは前田のほかに勝嗣や米示、さらには小兵二、海老原などの帝拳高校の生徒から、米倉商の島袋や渋谷楽翠学園の鬼塚のようなライバル校の生徒も登場する。

 連載途中だったということもあってか、ラスボスは浅草笹崎高校の薬師寺で、四天王最後の一人である葛西や極東高校の川島は登場しない。

 メインストーリーのボリュームは少々物足りなく感じるが、代わりに前田編をクリアすると千秋編、小兵二編、中島編のショートシナリオが楽しめたりもする。ファミコン後期のソフトということもあり、システム、グラフィック、サウンドとかなりのクオリティだった。

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