■ 集え百八星! 仲間集めと本拠地システム
ゲーム内の世界各地に散らばる百八星たちを仲間にする方法はさまざまだ。話しかけるだけで快く仲間になってくれる者もいれば、一定のレベルまで仲間になってくれない者もいる。複雑な依頼を解決しなければならない場合もあれば、戦って勝つなどの条件を満たさなければならない場合、特定のキャラクターを連れてやっと仲間になる場合もある。なかなか「うん」と言わない仲間を前に、手がかりを集めて勧誘方法を推理し、やっと仲間にできた時の喜びはひとしおだ。仲間になるとそのキャラクターは「本拠地」に合流し、いつでも話しかけられるようになる。
こうして徐々に増えていく仲間の魅力は、『幻想水滸伝』シリーズで一貫して重要なファクターとなっている。個性豊かなキャラクターたちは、一人一人がバックグラウンドを持ち、プレイヤーは会話やイベントを通じて、仲間と親交を深めることになる。
こうした魅力的なキャラクターを108人生み出す労力は並大抵のものではない。『幻想水滸伝』では新作を開発するたび、毎回108人分の設定やグラフィックを準備しなければならず、そこに膨大な時間をかけているとのことだった。
一度仲間になったキャラクターは、さまざまな形で主人公に貢献してくれる。戦闘参加が可能なキャラクターを旅の同行者にできるのはもちろんで、各キャラクターは個性的な技を持ち、戦闘で活躍してくれる。また、特定のキャラクターの組み合わせでのみ発生する協力攻撃はどこかユーモラスなものがある一方、2種類の魔法が同時に発動する合体魔法はかっこよく強力で、戦闘の良いアクセントになっている。
また、「本拠地」を強化してくれる仲間もたくさんいる。本拠地内で店を開く者、いつでも入れるお風呂を作ってくれる者、「えれべーた」で移動を楽にしてくれる者……こうした施設が増える中で、キャラクターの新しい一面が明らかになることもある。たとえば「お風呂」イベントでは、同行者の組み合わせによってさまざまな「隠しイベント」が発生し、クスリと笑えるひとこまを提供してくれる。
このように「仲間を108人集める」という、キャラクターの群像劇に焦点をあてた本作品は、それまでにない、「登場人物を楽しむ」RPG体験を生んだ。