少女漫画において、“母親”というポジションは脇役キャラであることが多い。しかし多感な時代を過ごす主人公にとって、大きな心の支えになることも事実だろう。『りぼん』(集英社)作品にも“いい味”を出す母親キャラが多く登場しているが、今回はそんな印象に残る母親キャラを実写化作品で演じた女優たちをご紹介してこう。
■メイド姿が美しすぎた! 『有閑倶楽部』剣菱百合子役:かとうかず子さん
一条ゆかりさん原作の『有閑倶楽部』は容姿も家柄もハイスペックの男女6人が、生徒会こと「有閑倶楽部」として学園のトラブルに立ち向かっていく物語だ。
それぞれの能力を活かし、恋愛や友情などの些細な事柄や、政府や裏社会などヘビーな問題、そしてオカルト事件まで手広く扱う「有閑倶楽部」。彼らが爽快にトラブルを解決していくさまは面白く、読んでいてクセになる作品だ。
本誌でも高い人気を誇った本作は、1986年に初の実写ドラマ化、2007年に再びキャストを一新して連続ドラマ化を果たしている。2度目の実写化の際には、赤西仁さんや横山裕さん、田口淳之介さんといったトップアイドルを起用したキャストが話題となった。
大富豪である剣菱財閥の娘・剣菱悠理(演:美波さん)の母親・百合子役で登場したのが、女優のかとうかず子さんだ。
百合子は悠理の母親というだけあって、とても気が強い女性だ。そして、元メイドの経歴から、なぜかメイド服を身につけていることが多い不思議なキャラクターである。父・万作を演じた片岡鶴太郎さんと2人で並ぶ姿はインパクト絶大で、怒らせると怖いという裏の顔も印象的だった。
数々の作品で味のある演技を見せているかとうさんだが、『有閑倶楽部』ではメイド服を着こなして作品に華を添えるとともに、突拍子もない提案でトラブルを起こす“なくてはならない存在”だったように思う。
■破天荒な両親Sに注目が集まった!『ママレード・ボーイ』松浦千弥子役&小石川留美:中山美穂さん&檀れいさん
吉住渉さん原作の『ママレード・ボーイ』は、ある日突然両親が離婚し、さらに別の夫婦とパートナーを入れ替えて再婚するという、“ありえない”設定で描かれた物語だ。
両親の再婚を機に、同年代のイケメン男子と共同生活を送るハメになる主人公・小石川光希。非現実的だからこそ、誰もが「突然イケメンと1つ屋根の下暮らす」なんて夢物語に夢中になったものだ。
本作はアニメ化や、台湾での実写ドラマ化を経て、2018年に実写映画化を果たしている。ラブストーリーもののヒロインとして大人気の桜井日奈子さんが光希役をつとめ、光希が恋に落ちる松浦遊役には『キングダム』シリーズをはじめ、CMやドラマ、映画に大活躍の吉沢亮さんが起用された。
そして本作に欠かせない「両親S(りょうしんず)」には、光希の父・仁役に筒井道隆さん、母・留美役に檀れいさん、遊の父・要士役に谷原章介さん、母・千弥子役に中山美穂さんが起用されており、その豪華すぎる布陣に驚いた人も多いだろう。
なかでも、母親を演じた檀さんと中山さんには注目が集まった。家族写真のように撮られた宣材写真では、変わらない美貌を見せる中山さんと、洗練された空気をまとう檀さんという、美しすぎる母親たちの姿がとくに際立つ。
かつてラブストーリーもので多くのファンを魅了してきた俳優たちが両親役となり、集結した本作。“母親役が綺麗すぎて作品に集中できない”なんて声もあがるほど、気合の入った配役となったようだ。