30年以上もの歴史を持つ『悪魔城ドラキュラ』シリーズ。ゴシックホラーをモチーフとしたアクションゲームの金字塔ですが、現在では「メトロイドヴァニア」の語源でもある探索型アクションRPGとして馴染のある人が多いかもしれません。ファミコン時代の「ドラキュラ」シリーズは、難度高めの硬派なアクションとして人気でしたが、そのパッケージのおどろおどろしさと難しさゆえに、子どもたちからは敬遠されることもしばしば。そんなシリーズを救うために現れたのが10月19日に発売から33周年を迎える『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』でした。
■主人公はドラキュラ伯爵の息子で年齢は1万とんで9歳の少年!?
『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』の主人公は、「悪魔城ドラキュラ」のラスボスのドラキュラ伯爵の息子という年齢は1万9歳のお坊ちゃん。1万年の眠りから覚めるたドラキュラくんは、寝ている間に魔王ガラモスに乗っ取られた魔界を取り戻すために旅に出ます。
出自こそシリアス気味ですが、ゲーム自体は「ドラキュラ」シリーズとは思えないほどコミカルでポップな本作。操作は十字キーの移動にAボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃と非常にシンプル。攻撃はシリーズおなじみのムチではなく、妖気弾という弾を飛ばす遠距離攻撃で、真上や真下に向かって撃てたり、ボタン押しっぱなしで溜め撃ちができたりと「ドラキュラ」シリーズというよりも、実は「ロックマン」に近い横スクロールのアクションゲームなのです。
■難易度は9歳向け!? バラエティ豊かなステージがプレイを飽きさせない
硬派なゴシックホラーアクションのイメージの強い「ドラキュラ」シリーズですが、本作はそれを感じさせない明るい雰囲気が特徴です。難易度はほどほどで理不尽さやシビアなシーンは少なく、またデフォルメされたドラキュラくんと可愛らしいモンスターのおかげで、シリーズが初めての人でも触れやすく遊びやすいアクションゲームに仕立て上げられているのです。
本作は全9ステージで、ドラキュラくんが寝ていたドラキュラ城からスタートし、雲の上のジェットコースターに水中や氷の世界、ピラミッドや宇宙など飽きさせない構成。そこには「ドラキュラ」シリーズのオマージュ的なギミックやサウンドに加え、ミニゲームあり、さらにはクイズによるボスバトルありなど、本作の面白さはアクションだけにとどまらないバラエティ豊かなステージにも支えられています。セーブ機能こそありませんが、パスワードで特定のステージからやり直せるのも、遊べる時間が制限されている身としては嬉しい機能でしたね。