■リスクも大ありな一か八かの賭け? 『忍者龍剣伝』
1988年にテクモ(現:コーエーテクモゲームス)から発売された『忍者龍剣伝』は、主人公である忍者のリュウ・ハヤブサを操る爽快なアクションと、ドラマチックな演出やBGMの数々によって高い人気を獲得している一作だ。
本作はアクションとして非常に難易度が高いことでも有名で、とくにラスボスである“邪神”の理不尽なまでの強さに心を折られたプレイヤーも少なくはないだろう。
邪神に勝つためには弱点である心臓部を攻撃する必要があるのだが、そのための前段階として頭部、尻尾を破壊する必要があり、猛攻を凌ぎながらこの工程をこなすだけでも一苦労である。
しかし、この面倒な前工程を省き、なんと直接邪神の心臓部を攻撃することができる裏技が存在するのだ。
それは頭部や尻尾を破壊しないまま、邪神の心臓目掛けてジャンプすること。それにより、稀に邪神の体に引っ掛かるような形で体の上に乗ることができる。そして、この状態で攻撃を繰り返すと、弱点である心臓に直接ダメージを与えることができるのだ。
起死回生の“超”使える裏技……に思えるのだが、これでゴリ押しできるほど邪神は甘い存在ではない。体に張り付いている間も容赦なく攻撃をしてくるため、こちらもある程度のダメージを覚悟しながら、心臓部を攻めることとなる。
率直に言えばあまり効率的な攻略法とは言い難く、まさに“やられるまえにやる”という、一か八かの裏技なのだ。おそらくちょっとしたバグを利用した想定外の仕様なのだが、いまいちラスボス戦の突破口になりきれない、どうにも残念な裏技である。
“裏技”といえばゲームシステムの穴を突き、想定外の効果によってプレイヤーを有利にするものが多いが、なかには今回紹介したような、どこか実用的とは言い難いものも数多く存在する。しかし、効果のあるなしに関わらず、“隠された裏技を見つけた!”という点において、プレイヤーは心をときめかせるものなのかもしれない。