■「泣くぞ すぐ泣くぞ 絶対泣くぞ ほら泣くぞ」
ジェクトは『FF10』に登場する主人公のティーダの父親だ。そして、作中でカギとなっているボス・シンでもある。ジェクトの物語は複雑であるため、詳細は伏せて紹介するが、多くのプレイヤーの涙を誘った愛すべき不器用な親父といえるだろう。
物語の中盤まで、ティーダにとってジェクトはよく嫌味を言うキャラとして描かれている。ジェクトがティーダに伝えていた「泣くぞ、すぐ泣くぞ、絶対泣くぞ、ほら泣くぞ」というセリフを見ると、ティーダがジェクトを嫌うのはムリないように思う。
しかし、実際はティーダのことを誰よりも愛しており、その事実をティーダは物語が進むにつれて知ることになる。そして、本当のジェクトの想いを知ったうえで、ティーダはシンになってしまったジェクトを解放するために打ち倒すのだった。自らを倒し、駆け寄るティーダに、変わらずジェクトはいつもの「泣くぞ、すぐ泣くぞ、絶対泣くぞ、ほら泣くぞ」と言葉をかけた。そして最後にようやく親子らしい会話をかわしたのち、ジェクトは消滅したのだった。
■「よし、やめちゃる!わし、軍人や~めた」
ギルガメッシュ同様に、歴代『FF』でおなじみのキャラとなっているビッグス&ウェッジ。ただし、こちらは各作品により別キャラクターとなって登場しており、『FF8』のビッグス&ウェッジは、ガルバディア軍所属の軍人という敵キャラとして対峙する。
この2人も作中何度も登場するのだが、出てくるたびにほっこりするやり取りを見せてくれる。例えば、ウェッジがピンチになり「もうダメかもしれないっす~」というと、ビッグスは「ばかもん!甘ったれたことを言うな!」とウェッジにケアルをかけてあげる、など。
主人公たちに負けたことで、ビッグスは降格されてしまう。そして、最終的にはウェッジに軍人をやめてしまえばいいといわれた冗談を真に受けたビッグスが「よし、やめちゃる!わし、軍人や~めた」「ウェッジ、帰って酒でも飲むぞ」と決意。「え!わたしもですか」と驚くウェッジを連れて、すぐさま2人は去ってしまったのだった。
もちろん、この2人に関しては「かっこよく退場したキャラ」ではなく、「愛すべき敵キャラ」として番外編での紹介となるが、歴代シリーズを語る上で欠かせない敵キャラなのは間違いないだろう。
今回は歴代『FF』の復習ネタとして、退場姿がかっこよかった愛すべき敵キャラたちを紹介した。おなじみのキャラもそうでないキャラも非常に個性が際立っており、今でも有名なキャラが多い。
最新作『FF16』でも紹介したようなかっこいい敵キャラは登場するのだろうか。ストーリーや主人公キャラたちだけでなく、敵キャラも楽しみに『FF16』を待ちたいところだ。