■「ファミスタ風」だったソフトボールゲーム
ファミコンでは「ソフトボール」を扱ったゲームもあります。それが『I LOVEソフトボール』(1989年、ココナッツジャパンエンターテイメント)と『ソフトボール天国』(1989年、トンキンハウス)です。
『I LOVEソフトボール』は、女の子がソフトボールをするゲームで、ジャケが女の子のブルマ姿で、そこにひかれてジャケ買いしたちょっと大人な男子もいました。
キャラも女の子の画で野球より華やかでかわいくはあるのですが、新しいジャンルというよりは、ソフトボールのルールを少し乗せた『ファミスタ』程度という印象を受けた人が多いでしょう。
この頃の野球ゲームは、『ファミスタ』に寄せてあればそれなりにはおもしろいという感じで、出る野球ゲームのほとんどが「ファミスタ風」と言っても過言ではない時代でしたから。
もう一本の『ソフトボール天国』は、人間の他に動物や妖怪までチームメイトにすることができ、固定チームが決まっておらず、メンバーを取り合うシステムが新しかったです。
そして『ファミスタ』ですらそうですが、当時は肖像権も緩い時代。タモリさん、さんまさんなど、著名人がそのまま分かるような画で出ています。
こちらも『ファミスタ』にちょい足しと一工夫はされているので、おもしろいと言えばおもしろいですが、やはりファミスタの二番煎じ感は否めません。ソフトボールなので、投球が山なりだったり、7回までしかないなど特徴はあっても、やはり人気だった野球ゲームとの差別化は難しく、結局のところファミスタ系野球ゲームとくくられてしまいました。