■はじける笑顔が眩しい! 往年の名作『タッチ』浅倉南役:長澤まさみ

 1981年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載が開始されたあだち充氏による『タッチ』のヒロイン・浅倉南は、才色兼備で誰もが憧れる女性だ。テレビアニメや実写ドラマなどが展開される人気漫画の本作だが、なかでも2005年に公開された実写映画では、主人公の双子を斉藤祥太・慶太が演じ話題となった。

 そしてこの実写映画で野球部のマネージャーを演じたのが、長澤まさみだ。1999年度の第5回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを獲得し芸能界デビューを果たした彼女。特撮の名作『ゴジラシリーズ』への出演や、大ベストセラー作品の実写映画『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒロインなど、着実に人気女優への道を歩んでいた長澤は、本作でヒロイン・浅倉南役に抜擢された。

 南といえば往年のファンも多い人気キャラクターで、まさにパーフェクトといわざるを得ないポテンシャルの高さを実写化するのは難しかったと思う。しかし長澤は見事に「南ちゃん」を演じており、あまりの可愛さに「衝撃を受けた」というファンも多く、原作ファンももうならせる「南ちゃん」だったのではないだろうか。

 ちなみに長澤は、翌年にもあだち氏の漫画『ラフ(ROUGH)』の実写映画でもヒロインに抜擢されている。彼女の持つ爽やかで透明感のある雰囲気は、あだち氏の描くヒロイン像にマッチしているのかもしれない。

■あだち充作品屈指の人気ヒロイン! 『H2』古賀春華役:石原さとみ

 続いて、同じくあだち氏の実写化作品から『H2』を紹介しよう。本作は1992年から『週刊少年サンデー』で連載された作品で、『タッチ』とおなじく高校野球をテーマにした作品であるが、2人のヒーローと2人のヒロインが登場するという一味違った設定を楽しむことができる。

 2005年にテレビドラマ化を果たした本作。『H2〜君といた日々〜』とタイトルがつけられたドラマは、原作とは違い主人公・国見比呂とヒロイン・古賀春華の恋模様が中心に描かれていた。この野球部マネージャーでヒロインでもある春華を演じたのが、石原さとみだ。

 2002年に「第27回ホリプロタレントスカウトキャラバン『ピュアガール2002』」にてグランプリを受賞した石原。2003年にはNHK連続テレビ小説『てるてる家族』のヒロインに抜擢され、以降人気女優として名を連ねる存在となっていく。

 石原が演じた春華は、あだち氏の作品のなかでもとくに人気のあるヒロインキャラだ。とにかく美人で、優しい性格の彼女。大の野球好きでもある春華はマネージャーとしても優秀だった。そんな春華を演じる石原を見て、彼女のファンになったという人も多いようだ。

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