■ストーリーに隠された意外過ぎる“名作”同士の繋がり!? 『ボンバーマン』

 1985年にハドソンより発売された『ボンバーマン』は、爆弾を使ってブロックや敵を倒し進んでいく、アクションゲームだ。

 後続作では対戦ゲームとしても高い人気を獲得するシリーズだが、この初代『ボンバーマン』が、ある“名作”と意外な繋がりを持っていることをご存じだろうか?

 実は本作の主人公となる“ボンバーマン”のドット絵は、同社から発売されたファミコンソフト『ロードランナー』の敵キャラと同じなのである。

 もともとボンバーマンは悪の手先として爆弾を作るロボットだったのだが、ある日、“地下迷宮を抜け出し、地上に出れば人間になれる”という噂を耳にする。ボンバーマンは自身が生み出せる“爆弾”のみを頼りに、追っ手たちを振り切り地上を目指して進んでいく。

 つまるところ、“ボンバーマン”が迷宮を抜け出して人間になった姿こそ、『ロードランナー』の主人公であり、二つの作品の世界観が思わぬところでリンクしていたというわけだ。

 とはいえ、本作は『ロードランナー』よりもあとに発売された作品であるため、これはいわゆる“後付け設定”で、スタッフたちの遊び心ということなのだろう。どちらも名作タイトルではあるものの、ゲーム性が大きく異なる二作品であることから、思わずその事実に驚いてしまう。

 人間になりたかったロボットが夢を叶えるために迷宮から“脱出”を目指す『ボンバーマン』と、かつての自分同様のロボットを相手に地下の金鉱から金塊を集める『ロードランナー』。別々の作品でありながら、互いを意識するシナリオになっている設定の妙に、思わずうなってしまう。

 

 ファミコンソフトの名作たちは、どれものちのシリーズへと繋がる卓越したゲーム性や操作性に注目されがちだが、あらためて目を向けてみると当初から作り込まれた“ストーリー”も非常に興味深いものがある。この機会に一度遊んでみた過去のゲームのシナリオにも、着目してみるのはいかがだろう。

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