■原作の不気味な世界観を徹底再現『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境』
最後に紹介するのは、水木しげる氏の人気マンガを原作としたソフト『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境』だ。
1986年にバンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)より発売されたこのソフトは、125万本もの売り上げを記録した人気作品である。
『ゲゲゲの鬼太郎』には個性的な妖怪が多数登場するが、複雑な妖怪の容姿を少ないドット数で見事に表現しており、原作ファンをうならせた。原作独特の不気味な雰囲気を損なうことなく、世界観を忠実に再現していたことがヒットの要因といえるだろう。
異なるクリア条件がプレイヤーを飽きさせることもなく、絶妙に高い難易度がゲーマー心に火をつけたものだ。多くのキャラゲーがひしめくなかで徹底した原作の再現がファンを喜ばせた、紛れもない名作ソフトである。
とにかくゲームを制作して売り出すことに躍起になっていた、80年代後半から90年代前半のゲーム業界。そのなかでも既存の原作ファンを離すことなくクオリティを追求した前述の「キャラゲー」たちは、ゲーム時代の地盤を築き上げた功労者として、これからも語り継がれていくことだろう。