ゲームが世間で浸透するのに一役買った「ファミコン」。全盛期はとにかくゲームの開発競争が激しく、良くも悪くも多く「クソゲー」が生まれた時代でもある。とくにいわゆる「キャラゲー」と呼ばれる漫画やアニメが題材となったゲームは、原作の人気にそぐわないクオリティのものが多く、「原作もの=クソゲー」という印象を植え付ける原因となってしまったようだ。
しかし、なかには目覚ましい人気を誇り、100万本以上の売り上げを果たした数多くのキャラゲーが存在している。今回はキャラゲー全盛時代に100万本以上売れた「本当に面白かった」キャラゲーを3つ紹介しよう。
■ファンの期待に答えた名作『ドラえもん』
まず初めに、日本人なら誰もが知る国民的アニメ『ドラえもん』のゲームを紹介したい。
こちらのタイトルは1986年にハドソンから発売され、115万本の売り上げを記録した名作ソフトだ。
原作の内容に反したキャラゲーが多く発売されていたなかで、原作の内容を忠実に再現したゲーム性が人気を集めたのがヒットの要因と言われている。
ジャンルはアクション&横スクロールシューティングで、ドラえもん最大の特徴である“ひみつ道具”がゲームの要素としてうまく取り入れられており、アニメを見ている時のワクワク感が見事に再現されていた。
ゲームでは映画をモチーフにした3つのステージが用意されており、それぞれ違ったシステムで進められることから飽きにくく、長く遊べることも当時のゲームとしては好印象だったようだ。また、BGMはアニメ『ドラえもん』の歌をアレンジした曲が多く没入感も味わえるため、ファンとしてはたまらない作品となっている。
多くのドラえもんファンの期待を裏切らなかった名作として、今、遊んでも十分に楽しめる作品といえるのではないだろうか。
■対戦型格闘ゲームの親!?『キン肉マン マッスルタッグマッチ』
続いては対戦アクションゲームの金字塔、『キン肉マン マッスルタッグマッチ』を紹介しよう。
こちらのタイトルは1985年にバンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売され、105万本の売り上げを記録している。対戦格闘ゲームというジャンルが存在しなかった当時において、2人対戦を前提としている革新的なゲーム制を採用しているのが特徴だ。
シンプルな操作性で子どもから大人までプレイしやすく、コマンド入力でおなじみのプロレス技が繰り出せる仕様となっている。
評価すべきは、ゲーム内に散りばめられたその芸の細かさだ。技が決まった時や試合終了時の歓声は、プレイヤーの気持ちを高めてくれる演出として印象的だった。また攻撃がヒットした時の打撃音なども耳なじみが良く、十分な爽快感を味わえる。
さて、本作はブロッケンJr.の圧倒的な強さがゲームバランスを壊しかねないと賛否を集めたが、そんなブロッケンJr.を攻略するのも一つの楽しみ方として、やり込みゲーマーからの支持を得ていたようだ。
対戦型格闘ゲームの元祖のひとつとしてのちに続くソフトの見本となった、今なお語り継がれるべき名作ソフトの一つである。