■思わず笑みがこぼれる爽やかさ『スーパーマリオブラザーズ2』『ゼルダの伝説』
最後に、所ジョージが出演した『スーパーマリオブラザーズ2』と『ゼルダの伝説』のCMを紹介しよう。
こちらのCMは1986年に、当時のROMカセットに変わる新たなソフト媒体、「ディスクシステム」を普及する目的で放送された。このディスクシステムの特徴としては、容量の増加やデータの保存、価格を抑えられるなど複数のメリットがあり、当時のファミコンの概念を大きく変えるものであった。
そんなディスクシステムの先駆けとして放送されたCMに出演したのが、タレントの所ジョージだ。子役だった間下このみとともに出演し、実際にゲームをプレイする様子が放送される。
30秒で『スーパーマリオブラザーズ2』と『ゼルダの伝説』両方をプレイする様子が放送されるが、どちらも途中で失敗、アニメ調のマリオとリンクが「ヘタクソ!」と吐き捨て、2人が「むかーっ!」と悔しそうな様子を見せる。最後に「ムカッと来るけど やめられない!」というキャッチコピーを二人が発し、CMは終了。
所ジョージと間下このみのフレッシュさがディスクシステムという新たな媒体を宣伝するのにマッチしており、加えてシンプルながらも好奇心を煽るこのCMを観て、実際にソフトを購入してみたという人も多かったのではないだろうか。新たな時代の到来を告げた、印象深いCMの一つだ。
ゲーム内容はもちろんだが、タイトルを聞いただけで当時のCMに起用されていた芸能人もセットで思い出される、という人も少なくないだろう。そのときどきで活躍している芸能人を起用するCMが、実際のプレイ映像に変わるほどの強い影響力を持っていることがよくわかった。