■つい見栄を張って持っていないのにやった素振りで対応
だれもが多少の見栄を張っていた小学生時代。筆者も例外なくクラスメイトの前では良い顔をしていたものだ。それが悪いわけでもないのだが、ただ、持っていないファミコンソフトの話題に入っていけず、やってもいないのに知っている素振りをしていた。
YouTubeやインターネットなどがない時代、知らないことを知る手段がなく、テレビや雑誌で紹介されていなかったらお手上げだった。
友達はおろか、周りにいる好きな女子の視線が気になり、つい見栄を張ってしまうのだ。「ああ、それ知ってるわ」「オレ、まだ1面しかクリアできてないわ」なんて言ってしまうんだよな。「小さい人間だ」と言うなかれ。小学生にも人に秘めたプライドというものがあり、たとえそれが小さいものだとしても、それを見透かされるのはもっとツライのだ。
きっとそのクラスメイトにも、見栄を張っているのはバレていただろう。それでもみんなの前で意地悪な質問をしてこなかった友人はカッコよかった。
紹介してきた筆者の少年時代の甘酸っぱい思い出だが、人それぞれ誰しもがこのような経験を抱えているのではないだろうか。
ファミコンは少年時代の懐かしい思い出に浸れるツールであり、ふとした時に思い出したいものである。あのころの甘酸っぱい経験は、大人になった今、宝物のようなものと言えるかもしれない。