昭和の子どもたちを熱中させてくれた『ファミコン』(任天堂)だが、甘酸っぱい思い出が残っている人はいないだろうか。筆者は動画サイトなどでファミコンのソフトを視聴するたびに、少年時代の鮮明な記憶が蘇ってくる。
そこで今回は、ファミコン時代の甘酸っぱい思い出を紹介したいと思う。
■仲間の名前を好きな女の子にしていたら友達にバレた
ドラクエなど仲間の名前を決めるゲームの場合、ひらがなで好きな女の子の名前を入力したものだ。筆者はドラクエ3でルイーダの酒場に行ったとき、やたら時間がかかったのを覚えている。
基本は戦士・僧侶・魔法使いだが、全員女性にして名前を付けた。何?別に好きな女の子が3人いてもいいじゃないか!……しかし、ここからが悩みどころで、一番好きな子をどの職業にするかがポイントだ。
勇者は自分なので、すぐ後ろにすると戦士になる。いや、そんなたくましくないな……。やはりいろいろ優しく助けてくれる僧侶かな……なんて、勝手な妄想をしていた。
しかし、このソフトを友達に貸してしまうと大変だ。筆者もすでに遊んでいなかったドラクエ3をうっかり貸してしまい、あとで「ヤバイ」と思ったものだ。
それを「今さら見ないで」とも言えず、案の定、翌日学校へ行くとクラスで筆者が誰を好きなのかが噂になっていた。
「いとこの姉ちゃんだよ」が、通じない。当たり前だ。1人ならまだしも、3人の名前をクラスメイトから使っていたらさすがに分かる。顔から火が出るほど恥ずかしかった。
チラリと一番好きな子の顔を見る。瞬間で目を逸らして頬を赤く染めていた。「ん?これは脈ありか?」(そんなわけない)
甘酸っぱい思い出だったな……。
■美少女パッケージに惹かれて買ったら想像と違った
ファミコン全盛期の当時、パッケージに美少女のイラストを使っている作品に心が震えた。しかし、当時の容量やドット絵ではゲーム内容にまで落とし込むのは至難の技であった。
美少女パッケージと内容がほど遠く、ドキドキが冷め切ってしまったものである。筆者の勝手な思い入れだが3つ紹介しよう。
まずは、バニーガールがウインクをしている『グレートディール』(ヘクト)だ。バニーガールは最初だけで、あとは一切登場しない。落ちてくるトランプを並び替え、ポーカーの役を作る頭を使うゲーム(キャデラック)だ。
ちなみに、このメーカーが出している『キャデラック』はパッケージがラスベガスのような街並みで、ゲームに勝利するとバニーさんが喜んでくれる。『グレートディール』と逆にしてくれよと言いたい……。
次に『マドゥーラの翼』(サン電子)だ。ビキニタイプの鎧をまとった美少女が囚われた王子を助けに行くというアクションゲーム。あれ?普通逆じゃないのか?
免疫の少ない昭和の少年たちにとって、ドキドキするようなポージングを取っている戦士ルシアだが、いざゲームが始まってみると、難しくてそれどころではなかった。
最後は人気コミックが原作の『アウトランダーズ』(ビクター音楽産業)だ。この作品は『月刊コミコミ』(白泉社)で掲載されていた、真鍋譲治氏による同名漫画をファミコンで開発したもの。パッケージには王女・カームがセクシーなポーズを決めている。
実際の漫画でもビキニアーマーのカームなので違和感ないが、これを当時の小学生が購入するのは大変である。ゲームは王道RPGをベースにしているが、カームのセクシーなシーンはないのが残念だった記憶がある。