■ハマると強いのが「お年寄り」なのかもしれない
そんなこんなで、今日もポケ活にいそしむ母。『ポケモンGO』を始めて得られたことは多くあるように思える。ギフトを贈り合うことだって周りとのコミュニケーションのひとつだし、「強い個体を捕まえる」という目的のため、日々時間を持て余すこともなくなったようだ。
また、母は先日、足腰の調子が悪く「すべり症」と診断されてしまったのだが、足が萎えてはいけないと1日6000歩を目標に、ここぞとばかりにポケ活に出かけている。「すべり症で足を鍛えないといけないから仕方なく歩く」ではなく「ポケ活がてら歩いてすべり症を治しましょうか」といった気軽さがあるから、リハビリも極めて順調だ。
新聞を読む、コーヒーを淹れる、料理を作る、音楽を聴く……そんな母の穏やかな日常に組み込まれた『ポケモンGO』。専業主婦の母は“同じような毎日”を心から楽しんでいると言うが、継続を苦とも思わないからこそ、ハマると強いのが「お年寄り」なのかもしれない。
母は今日も冒険に出かけ、新たなポケモンと出会い、相棒を愛でる。“人生100年時代”と言われる今、あと30年ポケ活を続けられたらどんなに素敵なことだろうか。そんな母の娘歴40年になる筆者にとって、『ポケモンGO』を通じてアップデートされていく母の様子を観察するのが、新たな楽しみのひとつになっている。