■映画よりも怖かったホラーゲーム

 最後に紹介する1本は、故・伊丹十三さんが製作総指揮、黒沢清氏が監督を務めた同名映画が原作の『スウィートホーム』(カプコン)です。この映画は宮本信子(76)、故・山城新伍さん、古舘伊知郎(67)らが出演したホラー作品ですが、個人的にはそこまで怖さは感じませんでした。

 しかしアドベンチャーゲームではなく、ホラーRPGとしてファミコンで発売された『スウィートホーム』のほうは文句なしの恐ろしさ。サウンドや効果音の使い方が絶妙で、怖さを演出する不気味なグラフィックは超一級品。さらにのちの『バイオハザード』にも影響を与えた、扉がゆっくりと開くアニメ演出など、映画以上のホラー感がありました。

 また、キャラクターを2つのパーティに分けて探索する戦略性や、館内で拾ったアイテムを取捨選択する戦術性は、RPGとしても斬新。個人的には原作映画を上回る楽しみを与えてくれた一作です。

 今回紹介した3作品は原作モノを度外視しても、ファミコン屈指の良作と言えるでしょう。レトロゲームを遊べる環境のある方で、もし未プレイのソフトがあれば、ぜひ遊んでみることをオススメします。

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