アニメやマンガ、映画作品などを原作にしたゲームのことを「原作モノ」や「キャラゲー」などと呼ぶことがあります。現在もさまざまなジャンルでキャラゲーがリリースされていますが、ファミコンの時代には「キャラゲーはクソゲー」なんて乱暴な言われ方をされたことも……。
当時はハード性能の低さもあって、原作の魅力を引き出せないファミコンソフトがあったのは事実。しかし、そんなファミコン時代のキャラゲーの中にも面白い作品がいくつもあります。しかも、それまでのゲームの常識になかった斬新なアイデアや、ヘタをすると原作以上の面白さを持つキャラゲーも存在しました。
そこで今回は、個人的に型破りながらも面白いと感じた原作モノのファミコン3作品をご紹介したいと思います。
■サッカー? 違う、これは新たなゲームジャンルだ!
最初に紹介するのは、高橋陽一氏によるサッカー漫画の金字塔をゲーム化したファミコンソフト『キャプテン翼』(テクモ)。現在ではさまざまなサッカーゲームが発売されていますが、『キャプテン翼』が発売された1988年当時、ファミコンのサッカーゲームといえば任天堂の『サッカー』ぐらい。まだJリーグも発足しておらず、子どもに人気のプロスポーツといえばプロ野球という時代です。
任天堂の『サッカー』はグラウンドをほぼ真上から見下ろした視点で選手を操作するゲームで、『キャプテン翼』も当然そういうスポーツゲームだろうと誰もが思っていました。
しかし、『キャプテン翼』は選手の移動にこそ十字ボタンを使いますが、パスやシュートなどはコマンド選択式。ほかの選手はオートで動くという誰も見たことのない斬新なゲーム性。
最初は面食らったものの、画面に映るキャラクターたちは、漫画やアニメの『キャプテン翼』ばりのアニメーションで再現。これはサッカーゲームではなく、言ってしまえば『キャプテン翼』という独自のゲームジャンルであり、これ以外の『キャプテン翼』ゲーはありえないと思うほどの面白さでした。