■ホラーハウスのストーリーは年齢制限ものの内容
ところがストーリーの1つである「ホラーハウス殺人事件」が、とても子ども向けゲームとは思えない内容なのだ。
そもそもホラーハウスそのものに不気味な雰囲気が漂う。ホラーハウス内を調べてまわると、壁に飾られた絵画に描かれている人物の目が動いたとコナンがおびえ出したり、おりに不気味な怪物が捕らえられていたり。ドット絵ながら怖さがひしひしと伝わってくる。
さらにここで起きる事件が猟奇的すぎるのだ。まず最初の被害者がギロチンによって首を切断されてしまい、ホラーハウス出口の生首のマネキンとともに並べられる。その後、複数人が同様に首を切断され、それらが出口にズラリと並べられることになる。
キャラクターはデフォルメされたドット絵で表示されているのだが、この生首が並べられているシーンは、ご丁寧にもアニメのような美麗な一枚絵が用意されており、被害者たちの表情がまた、恐怖を駆りたてるおどろおどろしいものになっている。当時この一枚絵を見たときも怖かったが、今見ても少しゾッとするものがある。
思えば初期のコナンでは「山荘包帯男殺人事件」や「雪山山荘殺人事件」などなど、凄惨な事件で子どもたちにトラウマを与えてきた。アニメや漫画でコナンにハマり本作を手に取った当時の子どもたちは、このエピソードで大いに震え上がったに違いない。
当時は日本国内のゲームに対するレーティング制度が確立していなかったが、レーティング制度が確立された今、あらためてみると年齢制限があってもおかしくはない残忍な内容だった。