妙な「和」テイスト!? ギロチンが超難敵だったファミコン空手ゲーム『カラテカ』は映画的名作だったの画像
画像はファミコン用ソフト『カラテカ』(編集部撮影)
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 ジョーダン・メックナー氏が開発し、1984年6月にAppleII向けに発売された『カラテカ』。メックナー氏といえば『プリンス・オブ・ペルシャ』で知られるゲーム開発者だが、それよりも5年も前に作られた本作は、85年にはファミコンにも移植された横スクロール型の空手ゲーム。残念ながらファミコン版はあまり高い評価を得ることができずネタ扱いされがちなソフトではあるが、多くの子どもにプレイされたゲーム史に燦然と輝く快作である。

ファミコン版『カラテカ』プレイ画面より

■「打撃のコンビネーション」ができるアクションゲーム

『カラテカ』は、当時としてはキャラの動作がきわめてリアルなアクションゲームだった。主人公の空手家の各動作、すなわち走る・戦う・礼をするといった動きが非常に滑らかに再現されていたのだ。ドット絵のキャラがパラパラ漫画のようにぎこちなく動く同世代の他のアクションゲームとは一線を画しており、これはファミコン版でも同様に美しかった。

ファミコン版『カラテカ』プレイ画面より

 戦闘システムは独特だが、駆け引きの要素もちゃんとある。空手家は上段・中段・下段のパンチとキックをこなすようにできている。これは敵との微妙な間合いを見ながら繰り出さなければならない。序盤のうちはタイミングを測ることでハメることができるが、ただのガチャ押しではいつまでも空振りしてしまう。

 現実の空手やキックボクシングでも、左ジャブで牽制した直後にローキックもしくはミドルキックを当てるというコンビネーションがある。80年代前半のコンピューターゲームで、このような攻撃を見事に再現したタイトルは決して多くなかった。なおAppleII版が発売されたのとまったく同じタイミングで、日本ではアーケードゲーム『空手道』が稼働している。

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