■タカ、ギロチン、崖
AppleII版は恐ろしい雰囲気の漂う名作だが、問題がないわけでもない。そもそも、このゲームは初見殺しが多かったのだ。空手家は「移動状態」と「構え状態」を切り替えることができ、移動状態では走ることができる。だが、この状態で敵にぶつかると即死してしまうのだった。建物内で空手家を襲う鷹に対してもきわめて脆弱だ。
また、館の奥に設置されている大きなギロチントラップは敵よりも厄介。この上下開閉式のギロチン。開いているからといってうかつに通過すると一気に落ちてきてしまい串刺しになってしまう。もちろんキックやパンチで壊すこともできず、初見は必ず死ぬ。攻略方法としては少しだけ後ろに下がった状態から移動姿勢を取り、一歩前に走ることでギロチンを反応させ、目の前ギリギリに落ちてきたギロチンをくぐるというもの。知っていればクリアできるが、何度やっても殺されるこのギロチンに心砕けたという子どもたちは多かったのではないだろうか。
敵にぶつかると即死。ギロチンに串刺しに刺されて即死。あとはスタート時に後ろに下がると火曜サスペンス劇場ばりに崖から落ちて即死。などなど、『カラテカ』にはこうした不親切な初見殺しがあったのは否定できない。
ファミコンでの移植ではオープニングがなくなっていたり、アクマ将軍の見た目が武将風から武道家風に変わっていたり、背景の富士山がなくなっていたりと変更点は多数。だがBGMが「さざなみ」に変わったのが最も良い点だろう。これによって、なにやら海に近い場所で戦闘を繰り広げているということが強調されるようになり、オリジナルの持つ映画的な要素がグッと深まっているように思う。
即死が多く、子どもたちの心を砕いてきた本作だが何度も繰り返しプレイすればけしてクリアは難しくない。現在では『カラテカ クラシック』という名のアプリでオリジナル版がプレイできる。ぜひいま一度実力を試していただきたいところだ。