■移植ではない本家開発の安心感

ファミコン『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』タイトル画面

 最後に紹介したい日本ファルコムのファミコンソフトは、移植作品ではありません。ナムコから発売された『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』は、開発を手がけたのが本家・日本ファルコム。ファルコムを代表する「ドラゴンスレイヤー」シリーズの4作目ながらPC88やPC98シリーズではなく、初出はほぼ同時期(1987年7月)に発売されたMSX2版とファミコン版という珍しい作品です。

 同作は、邪悪なキングドラゴンを封印したダンジョンを、個性豊かな家族4人+1匹のペットが入手したアイテムを使って攻略していくという、ちょっとパズル的な要素が強めのアクションアドベンチャー。

 グラフィックや音楽は、ずっと憧れだった日本ファルコムらしい素晴らしいクオリティ。とくに古代祐三氏&石川三恵子氏が作った素晴らしいメロディアスな曲の数々は、ファミコンで鳴っているとは思えないほど。ファミコンで日本ファルコムの新作がプレイできる感覚にワクワクしたのを覚えています。

 ただし、ゲームの難易度は当時のパソコンゲーム譲りのハイレベル。広大なマップ内に謎解きのヒントがあるワケではなく、攻略本を見ながらなら「なんとかクリアできるかな?」というかなりの高難度ゲームでした。

 それでも当時憧れだった本家・日本ファルコムの新作ゲームがファミコンでプレイできたことに感激した人は多かったことでしょう。

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