■原作の面影ナシだけど、それが功を奏した?

ファミコン『ファザナドゥ』タイトル画面

 パソコンで伝説的なヒットを記録したアクションRPG『ザナドゥ』。同作は「ドラゴンスレイヤー」シリーズとしては『2』に当たる作品です。そのファミコン移植作は1987年11月にハドソンから発売され、名前は『ファザナドゥ』と少し変わっていました。

 何より驚いたのは『ザナドゥ』の特徴であるデフォルメされたキャラクターが、ファミコン版ではなぜか4頭身ほどの少しリアルな頭身に変更されていたこと。そしてパズル的な攻略要素を含む部分が排除され、純粋なアクションゲームに生まれ変わっていました。

 当時のパソコンは非常に高価で購入も難しく、ファミコンで『ザナドゥ』が遊べると期待していたファンは多かったのです。それだけに、もはや別ゲームになった『ファザナドゥ』の画面を雑誌で見たときは、正直かなりガッカリもしました。

 そのためか、発売からしばらくたつとセール品のカゴに入ってしまう運命をたどったのですが、本家『ザナドゥ』の先入観をなくして実際に遊んでみると、意外なほど良作のアクションRPGに仕上がっていたのです。

 私自身、プレイし始めたときに感じた「意外に悪くない」という印象は、ゲームを進めていくうちに「けっこう面白い」に変化し、クリアする頃には「実はこれ良くできたゲームじゃん!」という結論に至ります。

 大きすぎる『ザナドゥ』の看板を背負って世に出たからこその落胆があったのかもしれませんが、まったく別のアクションRPGとしてリリースされていた場合、どのような評価を受けたのか気になるところです。

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