『ロマンシア』に『ファザナドゥ』日本ファルコム作品の「ファミコン移植」における悲喜こもごもの画像
ファミコン『ファザナドゥ』(編集部撮影)
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 昭和の時代から現在に至るまで、パソコンをはじめ数々のプラットフォームで良質なゲームをリリースし続けている「日本ファルコム」。『イース』シリーズ、『英雄伝説』シリーズなど、耳にしたことはもちろん、プレイした経験がある人も少なくないはず。30年以上もシリーズを重ねているためか、初代の面影はあまり見えなくなってきましたが、現在も根強い人気を誇っているのはその魂が継承されているからでしょう。

 現在は日本ファルコム自身が各プラットフォームにゲームをリリースするので、ハードごとのゲームのクオリティの差はほとんどなくなりました。しかし、ファミコンが流行したゲーム黎明期は、ファルコムではなくライセンス提供を受けた別メーカーが移植を行うというケースが目立ちました。

 そのため原作であるパソコンゲームとファミコンの移植作品では「どうしてこうなった!?」と驚くような違いが生じるケースも少なくなかったのです。

 当時、パソコンゲーム界の雄として名をはせていた日本ファルコムは、その影響を受けたメーカーと言っていいでしょう。日本ファルコムを代表する傑作ゲームが、ファミコンに移植されてどうだったのか、印象的なソフトを振り返ってみたいと思います。

■ファミコンキッズには早すぎた?

ファミコン『ロマンシア』タイトル画面

 ファルコムを代表する「ドラゴンスレイヤー」シリーズの『3』に当たるアクションアドベンチャー『ロマンシア』。そのファミコン版は、コンパイルが開発を行い、東京書籍(のちのトンキンハウス)から1987年10月に発売されました。

 当時のパソコンゲームは“難しいは正義(良作)”的なところがありまして、『ロマンシア』はその高難易度が極まったソフトの1本と言えます。ほぼノーヒントの難解な謎やギミックが多数存在し、しかも攻略手順を間違えると詰んでクリア不能になるという理不尽な面も……。

 年齢層が高めのパソコンユーザーなら情報を集めてなんとかなる部分もあったのですが、年齢層が低いファミコンだとなかなかそうもいきません。

 ファミコンへ移植するに際して、パソコン版から謎解きが若干変更されたのも致し方ないところ。さすがにパソコン版と同じモノをファミコンキッズに届けるのは無理だと感じたのでしょう。

 ですが、それでも“多少マイルド”になった程度で、激ムズであることに変わりはありませんでした。都築和彦氏が描いた主人公のファンと、ヒロインのセリナの愛らしいパッケージイラストを見て購入した人の中には、あまりの難しさに絶望した人もいたはず。何を隠そう、私もそんな一人です。

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