「いつか君に倒される物語」ストーリーは完璧!『わるい王様とりっぱな勇者』の“わるいところ”と“りっぱなところ”【ヤマグチクエスト・コラム】の画像
画像は日本一ソフトウェア『わるい王様とりっぱな勇者』公式サイトより
全ての写真を見る

 どうも、ヤマグチクエストです。今回は、日本一ソフトウェアから今年6月に発売されたPS4およびNintendo Switch用RPG『わるい王様とりっぱな勇者』について書いていこうと思います。

 私は、芸名を「ヤマグチクエスト」としているように、『ドラゴンクエスト』をはじめとするRPG作品が大好きで、RPGと聞けばなんでもプレイしたくなってしまう人間です。それゆえに、「日本一ソフトウェア+RPG」で面白くないわけがなかろう! と本作は予約して購入しました。それだけ期待値も高い状態で本作をプレイし、サブクエストも含めたストーリーをすべてクリアした私の感想を記していきます。

■童心に向かって背中を押されるような優しくも苦しい物語

 同じく日本一ソフトウェアの『嘘つき姫と盲目王子』と同じデザインで描かれている本作。「絵本を旅するRPG」と銘打たれています。絵本のページをめくるような演出や優しい声のナレーションも『嘘つき姫と盲目王子』から継続されていて、まさに絵本のお話をプレイしているような感覚でした。

 それでは気になる本作のあらすじをご紹介します。

 この話の世界はかつて、魔王・ドラゴンにより支配されていました。そんな世界を救うため、勇者がドラゴンに立ち向かい、見事打ち破ります。しかし、勇者は「命まで取りたいわけじゃない」と、ドラゴンにとどめは刺しませんでした。その後、勇者との戦いの傷を癒やすドラゴンのもとに、勇者が話し相手になるために通ううち、いつしか2人は親友となっていました。

 そんなある日、勇者は瀕死の重傷を負いながらドラゴンのもとを訪れます。「もうじき命を落とす自分の代わりに、自分の娘を立派に育てて欲しい」と、ドラゴンに告げる勇者の手には、小さな赤ん坊が抱かれていました。

 ドラゴンは「きっとこのときのために自分は生き永らえた」と、その勇者の娘を育てることに決めます。

 寝かしつけるときに聞かせるお話は、ドラゴンが勇者から聞いた冒険譚。少女は、父親の冒険の話を毎日のように聞いているうちに「自らも勇者になりたい」と言いました。

 ドラゴンはそこで決意します。

「この子を立派な勇者へと育てるのだ」と。――いつか君に倒されることになっても。

 という冒頭です。もう目頭が熱くなりますよね。本作のキャッチコピーは「これは、いつか君に倒される物語」です。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4