■仲間たちが次々と倒れていく、その死に様
●「きさまを…たおすっ!!」
娘のアンナの仇であるゴルベーザと相対したテラのセリフ。私の命すべてをMPにかえて、というセリフがこの直前にあり、その言葉通り命懸けでメテオを放ちます。
このメテオでゴルベーザを負傷させることに成功しますが、言葉通り瀕死となってしまったテラ。「にくしみに とらわれて たたかった むくいかもしれん」「アンナのかたきを たの…」といって息を引き取ります。
後に発売される『FF5』で、ガラフが同様に命懸けで強敵に挑むシリーズ屈指の名シーンが登場するせいで影が薄くなりがちですが、亡くなった娘のためにこれまで戦ってきた男が最後に命懸けで宿敵と戦い、そして敗れる、というドラマチックなこのシーンはやはり印象的ですよね。
初めて見たときはテラが亡くなったことよりも、なんでゴルベーザはとどめを刺さないんだ? と不思議に思っていました。小学生だった僕はあまりテラが好きではなかったのかもしれません。ごめんよ、テラ。
ちなみにこのメテオによってゴルベーザからの洗脳が解かれたカインが、救出されたローザに「きみにそばにいてほしかったんだ!」と告白するシーンも良いですよね。
カインは裏切りのイメージが強いですが、嫉妬やそれによる自己嫌悪なども描かれ、良くも悪くも本当に人間くさい良いキャラだなと思います。
●「わたしは…しなぬ!」
ドワーフの国でセシルたちを追い詰めたゴルベーザでしたが、幻術の世界からかけつけたリディアの加勢によって逆に打倒されてしまいます。見事、ゴルベーザを倒し、クリスタルを守ることに成功したと安堵していたセシルたちの背後から聞こえるのがこのセリフです。
右手だけになったゴルベーザがそのまま台座に近づいていくシーンは小学生ながら「ええ……!?」と若干引いてしまいましたし、そんだけ強いのにまだ力を求めるのかと驚きました。
そして、これで7つめのクリスタルがゴルベーザの手に渡ってしまった!という焦りもあり、このシーンは特に印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
なので、セリフがというより、発せられる場面とその後の手だけが動いているシーンが印象深いため選ばせていただきましたが、その前の戦闘で黒龍のくろいきばにより仲間たちが倒れていく中、駆けつけてくれるリディアとミストドラゴンのほうが名シーンではあると思います。