■いきなりクライマックス!? FF4の怒涛のストーリー展開
では、ゲームスタートから順を追って、名セリフ&名シーンを振り返っていきましょう。
●「なぜだあッ! バロンおうーッ!」
クリスタルに執着し、主人公・セシルとその親友・カインを育ててくれた頃の優しさもなくなってしまったバロン王。
なかば強引に水のクリスタルを奪ったミシディアでの作戦に疑問を抱いていたセシルが王から隊長の任を解かれ、ミストドラゴン討伐を命じられ、カインとともに討伐した後に訪れた村で王からもらったボムの指輪から炎が飛び出したシーンで発せられたセリフです。
焼け野原になるミストの村の中で、王への不信感を強めていたセシルが裏切りに怒り悲しみ叫ぶこのシーンが“ゲーム開始1時間ほどで訪れる”というところがFF4のストーリー性を物語っているかなと思います。私はこのシーンでFF4に心を奪われてしまいました。
ちなみにこのミストの村にいたリディアが、炎に包まれる村を見て炎へのトラウマを抱えてしまうということがのちに効いてくるという細かさも、キャラクターの心情を丁寧に描くFF4の良さの1つかと思います。
●「ブレイク!」
FF4屈指の名シーン。バロン王に化けていたカイナッツォを打倒したにもかかわらず、その後にカイナッツォの罠により、セシルたちは部屋に閉じ込められた上に、その部屋の壁が迫ってくるではありませんか。
このままでは押しつぶされてしまう、絶体絶命のピンチにまだまだ幼いパロムとポロムが壁の両側に立ち自らにブレイクをかけて石化し、迫る壁を止めますが、彼らは自分の強い意志で石化したため、その石化は解けることはありませんでした。
その姿を見た賢者テラが「しぬのはこのおいぼれでよかったろうに!」と語るところも感動に拍車をかけます。
世界を救う、このクリスタルをめぐる争いを止めるために何をするべきかをとっさに考えたパロムとポロムが命懸けでセシルたちを救うこのシーンは、FF4でもまだまだ中盤に訪れるのですが、プレイヤーの心に深く印象づいている名シーンと言えるでしょう。
この悲劇には一応続きがあり、ちゃんとミシディアの長老によって石化が解かれているという点もポイント。なんであのときテラでは解けなかったんだ……!
●「セシルたちが…あぶない!」
ギルバート大活躍シーン。ダークエルフを討伐するために磁力の洞窟に入りますが、強い磁力のせいで金属製の装備を身につけることができませんでした。そんな中、なんとかダークエルフのもとまでたどり着きますが、大苦戦し「けんさえあれば……」と追い込まれます。
そのとき、ギルバートはセシルたちの危機を察知し、ダークエルフ討伐に向かうセシルに渡していた“ひそひそう”越しに、瀕死の体を引きずって竪琴を演奏することでダークエルフの磁力を操る力を封じ込めることに成功します。
ダークエルフ討伐に向かう際、「ぼくのかわりにこれを」とひそひそうを渡していたギルバートの狙いがこれだったのか!と驚かされるシーンですね。
初めてプレイしたのが小学生だった私は、前後の脈絡もあまり意識せず、ネーミング的に「ぼくのかわり」がそんな変な草でいいんかと思っていましたが、ギルバートも一緒に戦ってくれていたんだなと分かるこのシーンは胸が熱くなりました。この竪琴を聞いたダークエルフの「グガゲゴ!」という断末魔もなかなか印象深いですね。