■上下2画面に分かれた画期的なスパイアクション
私が『スパイvsスパイ』に出会ったのは中学生の頃でした。「新しいソフトを買った」という友人の家で遊んだのがファーストコンタクトです。
本作は2人いるスパイの1人となり、マップに隠された「書類」「ドル袋」「鍵」「パスポート」の4つのアイテムと、それを収める「カバン」を先に集め、飛行機に乗って逃亡すれば勝利というもの。
盗みに入った先に書類やドル袋があるのはともかく、パスポートまで用意してあるのはツッコミどころでしょうか。しかし、それぞれ1つずつしか用意されていないので、1つでも敵の手にわたったら仁義なき戦いが勃発。
戦う方法としては直接殴り合うほかに、部屋にトラップをしかけて殺すことも可能。トラップには爆弾や硫酸バケツなどがありますが、どのトラップも一撃必殺な強力な妨害方法でした。
私は友人のレクチャーを受けながら遊んだのですが、ファミコンにしてはちょっと難しいゲームという印象。上下2画面に分かれた上画面が自分の視点で、敵が下画面。敵のスパイを出し抜くためには、自分の画面だけでなく敵の画面も見ておくことが必要で、それに慣れるまでが大変でした。
しかし、基本的な遊び方や攻略法が分かってくると、敵のスパイとリアルタイムで競争している感じがとにかく面白い。何度となく敵に先んじられ、倒されたり負けたりするのですが、自分がしかけたトラップに敵が引っかかるとスカっとした気分に!
そうこうしながらゲームに慣れた頃、友人が「これ、2人プレイで対戦もできるんだぜ」と言ってきたのです。……それこそが罠でした。