ゲーム内に別作品のキャラクターが参戦する、いわゆる“コラボ”や“タイアップ”。最近のスマホゲームなどでは当たり前のように行われている手法ですが、今から25年前の1996年3月29日に発売されたスーパーファミコン用ソフト『美少女レスラー列伝 ブリザードYuki乱入!!』(ケイエスエス)は、漫画とのタイアップが行われた傑作ゲームでした。
同作のタイトルに含まれている『ブリザードYuki』とは、『月刊少年エース』(角川書店)で連載されていた原案・吉岡平氏、作画・安西真氏による女子プロレス漫画のこと。全日本女子プロレスにて同名の女子プロレスラーも生まれたので、そちらをご存じのプロレスファンもいるかもしれません。
■『美少女レスラー列伝』の正体は……!?
そんな漫画とタイアップされた「女子プロレスラー育成シミュレーションゲーム」なのですが、厳密には『美少女レスラー列伝』の世界観やゲーム内容は完全オリジナルというワケではありません。
私もかなり遊んだ大好きな作品のひとつとして、1992年にパソコンで発売された『レッスルエンジェルス』(グレイト)という女子プロレスラー育成ゲームがあります。シリーズとして4作品が作られ、のちにさまざまなハードへの移植やリメイク、携帯アプリやプレイステーション2などでも派生作品がリリースされるほどの根強い人気を誇るシリーズです。『美少女レスラー列伝』はパソコンでリニューアルされた『レッスルエンジェルスV』の世界観をベースに作られた作品でした。
そのため『美少女レスラー列伝』の登場キャラは、ほとんどが『レッスルエンジェルス』シリーズで見慣れたキャラばかり。そこに漫画とのタイアップキャラの「ブリザードYuki」が追加されているというわけです。
にもかかわらずゲームタイトルに『レッスルエンジェルス』の名前は使われておらず、『レッスルエンジェルス』シリーズのファンとしては、悔しいやら新作が出てうれしいやら……なんとも複雑な気持ちでした。