■ゲームクオリティの高さに比べて知名度は…
スーファミのプロレスゲームには『スーパーファイヤープロレスリング』(ヒューマン)という傑作が存在。その『ファイプロ』が自分でレスラーを操作する、いわば「動」のプロレスゲームの最高峰だとすれば、『美少女レスラー列伝』は育成したレスラーの活躍を見守る、至高の「静」のプロレスゲームだと断言できます。
そのくらい心底推したい傑作プロレスゲーム『美少女レスラー列伝』ですが、『ファイプロ』に比べると悲しくなるくらい知名度がありません。
私個人の見解としては、やはり『レッスルエンジェルス』シリーズのファンに「このゲームの存在が伝わらなかった」のが理由ではないかと。シリーズのファンならば間違いなく買いのゲームなのに『美少女レスラー列伝』というタイトルでは、到底『レッスルエンジェルス』が関係しているとは思えないですし、単なるプロレスモチーフのギャルゲーと勘違いされそう……。
それに加えて、発売された頃はプレイステーションやセガサターンなど、当時の次世代ハードが勢いを増してきた時期。ゲーム好きでもスーファミソフトまでなかなか追い切れないですし、雑誌にもほとんど情報が載らないといったタイミングの悪さもあったのかもしれません。
それでも、もし『美少女レスラー列伝』が『レッスルエンジェルス』を冠したタイトルだったら、現在の知名度や評価は多少なりとも変わっていたかも……なんて妄想すらしてしまうほどの良作でした。
育成したキャラクターの試合を見守るという『美少女レスラー列伝』のゲーム性は、ただいま人気バクシン中のアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』などにも通じるところがあり、現在でも十分楽しめる内容だと思います。
もし興味があって、運良く同作に触れる機会(かなり高価ですが……)がありましたら、ぜひスーファミ末期の開発技術の素晴らしさを体感してほしいですね。