江戸一番の悪徳商人になろう!レトロPCゲームの“珍”作『天下御免』を再プレイの画像
1994年発売のPCゲーム『アートディンク』(アートディンク)タイトル画面より
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 レトロゲームは、何もファミコンやスーパーファミコンのゲームだけを指すワケではない。考えてみれば、日本にはPC-9800シリーズというものがあった。この名機のおかげで、多くの名作PCゲームや珍作ゲームに触れたという人も多いはず。

 この時代のゲームには令和時代の人々には思いつかないような内容の昨品もあり、改めて発掘してみる価値は大いにある。今回は1994年に発売されたPCゲーム『天下御免』というゲームをやっていこう。

■天下泰平の江戸商人

 時は江戸時代元禄元年。西暦にすれば1688年。ヨーロッパでは太陽王ルイ14世がファルツ選帝侯の継承権を主張し、周辺諸国を巻き込む大戦争に導いた。ファルツ継承戦争である。しかし極東の島国日本では徳川幕府による治世が完全に確立され、長い平和期に突入していた。

 将軍徳川綱吉の貨幣改鋳は、この時代の日本に良性インフレーションの恩恵を与えた。市井の金回りが良くなると、文化も栄える。歌舞伎、錦絵といった元禄文化が見事に華開いたのだ。

 プレイヤーの目的は、この時代の江戸商人として天寿を全うすることである。海産物問屋、小間物問屋、油問屋、酒問屋など、さまざまな業種を選ぶことができる。

『天下御免』より

 日本は島国だから、まず船を買わなければならない。その船に船頭をつけて、とりあえず大坂の堺に荷の買い付けに行かせよう。蔵に入れた荷は、もちろん江戸で売りさばかれる。そうして収益を確保し、少しずつ身代を大きくしていく。

 海産物問屋は扱う物品が多い代わりに、ひとつひとつの収益率が低い。だから筆者おすすめの業種は薬問屋である。漢方薬や人参は、なかなかの利益を御店にもたらしてくれる。

 このゲームは自由度が極めて高く、細々とした商いで真面目な商人道を進むことも可能だ。しかし、せっかく花のお江戸に生まれ落ちたのだから、悪の道に足を踏み入れてでも派手に小判を稼ぐこともしてみたい。

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