「個人的にはかなりチャレンジングな役柄です」

©創通・サンライズ・MBS
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――そのミオリネ・レンブランを、どのようなキャラクターだと感じていますか。

 

表現するのがかなり難しい子ですね。友達もいない一匹狼ですし、父親との仲も良くないので、孤独な存在のように思います。でも別に本人はそれでいいと思っているし、学園生活にも執着がない。とにかく地球に行ってお父さんの元から離れたい、人に決められることなく自由に生きていきたいっていう気持ちが強い、大人びた女の子です。逆に、自分の意思はすごく固いんですが、結局は自分が恵まれた環境にいることをあんまりわかっていないので、そういうところはすごく子どもだと思います(笑)。親の保護下でのびのびと自由にいられることを、かえって不自由に感じているんでしょうね。

 

――ちょっとアンビバレントなものを持っていますよね。

 

アンビバレントだし、表現が感情的になりやすいんですよね。他人にどう思われるかを気にしていないから、自分の思ったことを素直に言っちゃうし、行動する。キツすぎたり、相手をイラっとさせてしまうような言い方をする子なんです。
なので、演技プランを練るときは、“私だったらこういう言い方はしないけど、 ミオリネならこう言うかな”と私自身にはすぐには思い浮かばないような表現を考えるようにしてます。

 

――ご自身から遠いキャラクターだから、アプローチを考えるのは大変だと。

 

そうなんですよね。私は人にどう思われるかばっかりを気にしてる人間なので(笑)。周りに少しでも良く思われたいって、誰しも思う感情なはずですが、そういうのがミオリネにはないんです。自分自身と似ているところが全然ないので、 個人的にはかなりチャレンジングな役柄ですし、だからこそ、演じていてすごく面白いです。

 

――実際にアフレコされる中で、監督や音響監督の方からはどのようなディレクションが?

 

今回は特に、ピンポイントで具体的なディレクションが多いので、すごくわかりやすいし、面白いです。ただ、その表現がすぐにできるかといったら、難しいところもあって…。瞬発力が問われる現場でもありますね。ディレクションいただいた言葉をイメージは出来るのですが、それをミオリネとして消化する作業を瞬時にやらないといけないので、常に自分との戦いです。

 

――スレッタとミオリネの関係性について、Lynnさんはどのようにご覧になっていますか。

 

今の時点では、ミオリネはスレッタに対してなんとも思ってないというか、“なんかめんどくさい子と知り合いになっちゃったな”くらいの認識なんだと思います。余計なことはしないでくれ、私の世界をかき乱さないでくれっていう感じなんじゃないかな、と。
スレッタは“ミオリネさん怖い”と思っているけれど、学園生活で友達を作りたいっていう彼女の目標があるので、距離を詰めようとしてくれるんです。でも全く正反対の2人なので、その距離を縮めるにはだいぶ時間がかかりそうだなという印象です(笑)。

 

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――そうですね(笑)。スレッタとミオリネの心は、これから通じ合っていくのでしょうか…。

 

ミオリネは最初、他人に全く歩み寄ろうとしないので、スレッタがそこにどれだけ食らいついてくるか。これからが楽しみですね。その関係性が、いい方向にどんどん変わっていってほしいと思います。

 

――スレッタ役の市ノ瀬加那さんの声優としての魅力は、どんなところに感じていますか。

 

市ノ瀬さんがヒロインを演じている他の作品を拝見していて、すごくいいお声だし、いいお芝居だなって以前から思っていました。実はずっと共演したかったので、今回ご一緒できてすごくうれしいんです。一緒にアフレコしていて、マイク前での表情の作り方など“すごいな”と感じることも多々ありまして、尊敬できる声優さんですね。

スレッタって俯きがちで喋るんですけど、マイク前の市ノ瀬さんもそういうお芝居をしていて、役へのアプローチの仕方がすごく素敵だなって思いました。スレッタは、コミカルな面白いリアクションも多いんですが、そういう市ノ瀬さんのお芝居はとっても可愛いんですよね。

 

後編に続く。

 

【プロフィール】
Lynn りん

6月1日生まれ、神奈川県出身。2016年にアニメで初の主人公役を演じ、以降は洋画や海外ドラマの吹き替えなどでも活躍。近年の出演作に『Engage Kiss』(夕桐アヤノ)、『うちの師匠はしっぽがない』(椿しらら)、『ウマ娘プリティーダービー』(マルゼンスキー)、など。

 

 

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©創通・サンライズ・MBS
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<作品紹介>
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
2022年10月2日より毎週日曜午後5時~
MBS/TBS系全国28局ネットにて放送中

 

<STORY>
その魔女は、ガンダムを駆る。 A.S.(アド・ステラ)122―― 数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。 モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星から一人の少女が編入してきた。 名は、スレッタ・マーキュリー。 無垢なる胸に鮮紅の光を灯し、少女は一歩ずつ、新たな世界を歩んでいく。

 

<スタッフ>
企画・制作:サンライズ、原作:矢立肇/富野由悠季、監督:小林寛、シリーズ構成・脚本:大河内一楼、キャラクターデザイン原案:モグモ、メインキャラクターデザイン:田頭真理恵 キャラクターデザイン:戸井田珠里/高谷浩利、メカニカルデザイン:JNTHED/海老川兼武/稲田航/形部一平/寺岡賢司/柳瀬敬之、音楽:大間々昂

<キャスト>
スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那、ミオリネ・レンブラン:Lynn、グエル・ジェターク:阿座上洋平、エラン・ケレス:花江夏樹、シャディク・ゼネリ:古川慎、ニカ・ナナウラ:宮本侑芽、チュアチュリー・パンランチ:富田美憂

 

【公式サイト】g-witch.net
【公式Twitter】@G_Witch_M
【公式TikTok】@g_witch_m

 

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