次回作は「何も考えてません……というのは全部嘘です(笑)」(富野監督)

©創通・サンライズ

続いて、富野監督に向けて「劇場版を作る上で、設定やストーリーを変えようとは思わなかったのでしょうか?」という質問が出された。

それに対し「それをやってしまうと、こういう風にはまとめられません。そういうところの付け足しは一切していません。では、新作に見えるようにするために、じゃあ何をしていたのかと言えば、劇場に足を運んでいただく観客に対して、プロというのは何をしなくちゃいけないのかを考えたということです。その結果、この場で皆さんが話してくれたようなことを聞けたのは正直すごくホッとしています。テレビシリーズでは見えなかったような、キャラクター性が見えるような演出になっているようですし、みんな褒めてくれているのでとても嬉しいです」と、大きな変更を加えずとも、ドラマ性やキャラクター性を深めることができたことに対しての嬉しさを滲ませていた。

その流れに乗って、「監督の次回作はありますか?」の質問が。それに対して「ない、ない」と手を振り「80のお爺ちゃんに何を言っているんだと。私はこの後、穏やかに死なせてくださいと言っているので、何も考えてません……というのは全部嘘です(笑)」と一瞬引退宣言するかのように見せかけ、やる気満々の様子を見せると今回最大級の拍手が会場で巻き起こった。

盛り上がったトークもいよいよ終了の時間に。最後に富野監督からのメッセージが観客に贈られた。

「本日はお忙しい中、せっかくの日曜日になおかつ、新型コロナウイルスがまた猛威を振るい始めている時期に、お集まりいただきまことにありがとうございました。今後のこともありますので、嘘でもいいので応援していただけると嬉しいです。今後ともよろしくどうぞお願いいたします」

こうして、和やかな空気のもと、『G-レコ』最後の2部作の本格公開に向けた完成披露上映会は幕を閉じた。

 

 

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<作品情報>
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」
2022年7月22日(金)より公開中
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅴ』「死線を越えて」
2022年8月5日(金)公開

【メインスタッフ】
総監督・脚本:富野由悠季/原作:矢立 肇、富野由悠季/演出:吉沢俊一(G-レコⅣ、G-レコⅤ)、進藤陽平(G-レコⅣ)/キャラクターデザイン:吉田健一/メカニカルデザイン:安田 朗、形部一平、山根公利/デザインワークス:コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美、桑名郁朗、中谷誠一/美術監督:岡田有章、佐藤 歩/色彩設計:水田信子/ディスプレイデザイン:青木 隆/CGディレクター:藤江智洋/撮影監督:脇 顯太朗/編集:今井大介/音楽:菅野祐悟/音響監督:木村絵理子/企画・制作:サンライズ/製作・配給:バンダイナムコフィルムワークス/劇場版『Gのレコンギスタ』テーマソングアーティスト:DREAMS COME TRUE/エンディングテーマ:ハセガワダイスケ「カラーリング バイ G-レコ」(G-レコⅣ)

 

【メインキャスト】
ベルリ・ゼナム:石井マーク/アイーダ・スルガン:嶋村 侑/ノレド・ナグ:寿 美菜子/マスク:佐藤拓也/クリム・ニック:逢坂良太/マニィ・アンバサダ:高垣彩陽/ラライヤ・マンディ:福井裕佳梨/ミック・ジャック:鷄冠井美智子/バララ・ペオール:中原麻衣

【イントロダクション】
さらなる進化を経て、Ⅳ、Ⅴ、2部作連続公開でついに完結!
富野由悠季が原作・脚本・総監督を務め、2019年に全5部作として始動した『Gのレコンギスタ』の劇場映画化が、ついに最終局面に突入! 物語も折り返しを過ぎ、クライマックスへと突入していく第4部「激闘に叫ぶ愛」、第5部「死線を越えて」の2部作が、この夏、連続公開されることが決定した。
テレビシリーズの素材をベースに、ハイクオリティ化を図る形で進められてきた劇場映画化だが、第4部と第5部では、完全新規カットの量が大幅にアップ。その結果、物語自体もテレビシリーズをアップデートした形へと進化。富野由悠季総監督が新たに目指す、劇場版『Gのレコンギスタ』の最終局面はどのように描かれるのか? 人類の未来を見据える壮大なスケールの物語の決着がついに訪れる。

【公式サイト】http://www.g-reco.net/
【Twitter】https://twitter.com/gundam_reco

 

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