富野由悠季監督最新作となる、全5部作の劇場版『Gのレコンギスタ』のラストスパートとなる『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」が7月22日から、『Gのレコンギスタ Ⅴ』「死線を越えて」が8月5日から2作連続で公開。それに先駆ける形で、7月17日に「劇場版『Gのレコンギスタ』完成披露上映会 ~みんなで見ようⅣⅤのG~」が新宿ピカデリーにて行われた。
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メインキャスト6名&富野総監督が集結!
劇場版『Gのレコンギスタ』完成披露上映会 ~みんなで見ようⅣⅤのG~
【開催日】2022年7月17日(日) 12:40-13:20
【場所】 新宿ピカデリー シアター1
【登壇者】石井マーク(ベルリ・ゼナム役)、嶋村侑(アイーダ・スルガン役)、寿美菜子(ノレド・ナグ役)、佐藤拓也(マスク役)、逢坂良太(クリム・ニック役)、高垣彩陽(マニィ・アンバサダ/ノベル役)、富野由悠季総監督 MC:綾見優希
舞台挨拶には、富野由悠季総監督、ベリル・ゼナム役の石井マークさん、アイーダ・スルガン役の嶋村侑さん、ノレド・ナグ役の寿美菜子さん、マスク/ルイン・リー役の佐藤拓也さん、クリム・ニック役の逢坂良太さん、マニィ・アンバサダ/ノベル役の高垣彩陽さんの7人が登壇。
まずは、それぞれがひと言ずつ挨拶。石井さんは「ⅣとⅤ連続で見ていただいて、みなさんがどんな気持ちでいるのか気になります」と切り出す。佐藤さんは「舞台挨拶があるからと言って、朝9時劇場に来いなんて“ふざけているのか!”」とマスクの台詞を披露して会場を沸かせた。高垣さんは劇中の相棒でもある佐藤さんと席が離れてしまったことを心配されたそうだが「隣に監督がいるから大丈夫です!」とご機嫌に語り、その姿に富野監督も笑顔で応えた。
続いて富野監督は、「長い(上映で)、皆さんの時間を使わせてしまって申し訳ありません。ここまで至ることができたのも、出演者の皆さん、会場のみなさんのような協力者がいてくれたからこそ、ここにたどり着けました。本当にありがとうございました」と帽子を脱いで深々と頭を下げた。
「今までと違うベルリにやっとなりました」(石井)
続いての話題は、テレビシリーズの放送開始から8年、劇場版第1部公開から3年を経ての劇場版全5部作が完結したことに対しての率直な感想について。
石井さんは「テレビシリーズが始まって最初の舞台挨拶をしてからそんなに時間が経ったんだなと。そして、テレビシリーズから劇場版へと収録が進んで行く中で、どんどん自分がベルリになっていったという感覚があって。そして第4部と第5部になって、今までと違うベルリにやっとなりました」と長きにわたって演じてきた役柄について熱く思いを語り始めると、長くなりそうなのを感じた富野監督から「止めないとずっと続くよ」とツッコミが入り、会場の笑いを誘った。
嶋村さんは「『G-レコ』の収録があると、家族が帰ってきたんだねという話をみんなと話していたんです。それは、キャストの皆さんのチームワークという意味でそういうことを感じていたんですが、それがここまで来て、メガファウナのメンバーやベルリ、アイーダなどのキャラクターも家族だなと感じるようになりました」と語った。
そのタイミングで石井さんと嶋村さんが劇中のベルリとアイーダが身につけていたのと同じGメタルの首飾りをしていることを披露。寿さん、高垣さんから「エモい!」、「微笑ましい!」との言葉と共に大きな拍手がおこった。
続いて佐藤さんは「テレビシリーズからここまで、無事に駆け抜けられたことに本当にホッとしていて。完走できたことの嬉しさとちょっとした寂しさがありますが、でも今日こうして会場に足を運んでくださった皆さんの心もマスク越しの表情を見る限り、満足そうなので良かったですね。マスクだけに(笑)」と自身の役に絡めてコメント。
逢坂さんは「クリム・ニックという役が濃すぎて、久々に演じても全然忘れるキャラじゃないので、収録の時もすぐにクリム・ニックに戻れるんです。それが、最後の第5部の収録に行った時に“お疲れさまでした”という話をしたときには、やっぱり寂しくなりましたね。そして、こうしてメインキャストがほぼ揃うというなんかすごく嬉しい舞台挨拶に来ると、終わりたくないという気持ちが出てしまいますね」と名残惜しさを語った。
「ドリカムの中村さんから“これで始まりですね”と」(富野監督)
第3部の舞台挨拶には海外にいたために参加できなかった寿さんは、今回ようやく登壇。
「こうして、皆さんと並んでご挨拶ができることは嬉しいですね。第5部では、ベルリとアイーダとそしてケルベスの4人で収録することができたんですが、みなさんがおっしゃる通り、他のキャラクターたちもずっと一緒にいてくれた気がするんです。だから、帰る場所という気がしていたんですが、第5部での収録が終わると監督が“8年間お疲れさま”って言ってくださって。その時に“本当に終わりなんだな”って実感しましたね」とやはり寂しい思いを語ってくれた。
高垣さんは「皆さんも8年という月日の中でいろんなことがあったと思うんですが、テレビシリーズを録っていた時の濃厚さ、さらに劇場版を録っていく中でも、自分自身の人生の機微とともに、どこかに『G-レコ』の存在があって、マニィとノベルがいるという8年間だったなと思っています。第5部の収録が終わった時に監督から“マニィはあなたの声があったからこういうキャラになりました”と言っていただいて、この長い期間魂を重ねることができたのは本当にありがたいという思いでした。監督はテレビシリーズの時から“この作品は未来に残していく”という話をされていたんですが、これから生まれる子供が15年後に見るかもしれないんだなって、第5部の収録の最後に監督が声をかけてくれたときにしみじみ思いました」
富野監督は、関係者試写でお会いした、主題歌を担当されたDREAMS COME TRUEの中村正人さんとのエピソードを披露。
「中村正人さんから、“これで始まりですね”って言われたんです。僕のようにアニメの仕事をやっている人間からすると、作品が完成して試写をしたら仕事が全部終わったと思っていたんです。でも、ドリカムの仕事というのは、舞台に上がってから総仕上げになる。ライブで披露することが本番。ライブをする方はそういう風に感じるんだということを教えられました。それがあったからか、2日前に試写で見た時は嫌な印象もあったんですが、今日見直して、“結構爺さんも頑張ってやっているかもしれない”という感じがしました。そう思えたのも皆さんがお手伝いしてくださったからという実感ありますね。また、同じことを言わせてもらいますが“『G-レコ』は50年残ります”」と、上映開始後からが本番であるという思いを語った。