高垣の熱いトークに富野監督もガッツポーズ

©創通・サンライズ

続いての質問は、「劇場版の収録が進むことで、パートナー的な存在のキャラクター同士の関係性の変化や台詞に関して思ったことはありますか?」というもの。その質問に最初の手を挙げたのは高垣さん。

「テレビシリーズから(マニィの乗る)ジーラッハがスペース・ガランデンに向かうシーンの設定というかストーリーが大きく変わっていると思うんです。劇中で、ベルリとマスクが激しく戦うシーンで、ジーラッハが助けに入るんですが、そこでの最終決戦に向けたベルリ、マスク、マニィの3人の対比みたいなものや、ずっと叫び続けるベルリのエネルギーがすごく印象的で。情感が伝わるのですごく好きなシーンです」とお気に入りのシーンに対する思いを語ると、富野監督は嬉しそうにガッツポーズ。登壇者全員も「かっこよかった」と語りながら満足げにうなずき、まさにさきほど劇場でそのシーンを見た観客からも大きな拍手が起こった。

実際にそのシーンを演じた石井さんに、収録時の思い出が振られると「佐藤さんがすごい勢いで演じてくるから負けたくないと思っていました。必死に演じていたのであんまり覚えていないんですよね」と、演技に集中していたと振り返った。その演技に関しては、「あそこはすごかったよね」と監督からもお褒めの言葉が。

相手であった佐藤さんは、「マスクは、マスクを着けたことによって、地球にいたときは優等生の仮面をつけて生活していたのが、ちょっと前まで同じ学園で生活していた仲間に対して“殺人者!”という言葉を投げかけるようになってしまう。それが、現在のSNSなどでの顔を見せないで自分の思いをネット上に吐露していく。それは、アイコンというマスクをしているからだなって思うし、それを戦場で言うのはルインではなく、仮面をしたマスクだという怖さがある。そこでのベルリとのやり取りは、理性などはなくて本能しかない。そういうものをお芝居として表現する場をいただけたのはすごく良かったなと思っています」と石井さんとの演技の掛け合いに対する思いを語った。

 

テレビシリーズから大きく変更されたラストシーン

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次に話題を振られた寿さんは「第5部のラストシーンが良かったですね」というと、会場から大きな拍手が。テレビシリーズから大きく変更され、印象的に仕上がったラストシーンに関しては、皆さん大満足な様子。

「テレビシリーズでは、“ノレドはこれで終わりか……”と思っていて。だから、後からノレドがいい女になってベルリが後から気づいて後悔すればいいんだ……と思っていたんです。それが、本当にいいラストを用意してもらって」と嬉しそうに語る寿さんに、石井さんは「本当にノレドはいい女だったんだな」と語り、作品全体を締めくくるラストシーンへの思いを馳せた。

それに対して嶋村さんは「でも、このあとあの二人はイチャつく感じが無くて、まったく嫌らしい感じがしない(笑)」と感想を語り、司会の綾見優希さんも「ヘルシーな愛の形に見えた」と語る。

すると富野監督から「みなさんの感想に正直ビックリしました。あのシーンを作るのに半年かかっているんです。いろんな意見が出てきて、それを最終的に集約させるのに苦労したんですが、そこに女性スタッフはいなかったんです。だから、あのシーンへの女性の意見は聞けなくて、まさか“ヘルシーだ”という感想が出るとは思っていなくて。それこそ、あの言い方でOKするのは、すごく自信が無くて。エロくなっても、ヘルシーになってもいけないと思って悩みました。それであのようなシーンになったんですが、それに関しての思いは皆さんそれぞれ考えてください」と、女性陣の意見を聞けたことに対しての驚きと喜びを語ってくれた。

その他にも、嶋村さんのケルベスが「なんでこうなってしまったんだ」と語るシーン、逢坂さんのクリムとミックの戦いを通して変化する優しさを見せる関係性への思い、クリムの男気なども語られた。

 

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