■原作を効果的に活かすアイデアが満載

 冒頭でも触れたとおり、本作ではステージごとにゲーム性が一変するという斬新なアイデアが採用。そのステージも、題材となった映画のイメージに合わせて、しっかり細部まで造りこまれていたのが印象的です。

 ファミコン初期の“キャラゲー”には、原作から名前を借りてきただけのクオリティが低い作品も多かったのですが、ハドソンの『ドラえもん』はキャラの動きやアイテムの用途に至るまで、原作愛が感じられる内容でした。

ファミコンのグラフィックながら、ドラえもんの表情も豊か!

 アニメの主題歌のアレンジなどを含むBGMもいまだに覚えているほど良質で、個人的には「魔境編」のシューティングステージはお気に入りの曲が多かったです。

 本作のあとも『ドラえもん』を題材にしたゲームはたくさん発売されましたが、その中でも屈指の名作だったハドソン版。それが数ある『ドラえもん』ゲームの第1弾ソフトとして誕生し、ハード性能の劣るファミコンでここまでクオリティを高めたことは製作サイドの愛を感じますね!

(文・まさまさ)

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『ドラえもん』懐かしのゲーム画面