■隠しアイテム多数! 探検ゲームとしても優秀
主人公の虚弱体質や、少々の操作性の悪さは「本作の個性」と受けとめ、客観的にゲーム全体を見れば、同時代のファミコンゲームと比較しても悪くないどころか、優れたアクションゲームだと分かるはず。
たとえば、死にやすいゲーム性には、点数やアイテムによるエクステンド(残機アップ)が頻繁に起こることでフォロー。本作は何度も死にながら進路を見つけていく“死にゲー”的な要素が強いので、そのあたりのゲームバランスは考えられています。どんな難所も、諦めずに根気強くプレイすればクリアできる範疇です。
また、探検ゲームらしいワクワクする要素もたくさんあります。そのひとつが隠しアイテムの存在。「爆弾」を使って壁を壊すと「巨大ダイヤ」が出てきたり、特定の場所でジャンプすると隠しアイテムが出現したりと、クリアに必須ではないものの、ステージの至るところでさまざまな新発見ができるのは本当に楽しい!
また、やりこみ要素も備えています。何周も進めていくと、クリアに必要なアイテムが見えなくなり、入手するには特定の動作を行う必要があります。ちなみに本作を256周クリアすると1周目に戻るので、究極のやりこみは「256周クリア」ということになりますね。
不本意な“クソゲー”のレッテルを貼られることもある『スペランカー』ですが、これまでに続編作品が多数発売。2017年にはNintendo Switch版『みんなでワイワイ! スペランカー』(スクウェア・エニックス)がリリースされるなど、いまだに愛されている作品ということが分かります。
真のクソゲーだったらそんなことはありえないので、主人公の“虚弱体質”ぶりと合わせて『スペランカー』をイジるネタとして、愛をもって語られているのだと思いたいですね。
(文・まさまさ)