■オリジナル要素には賛否の声も?
ファミコン版『沙羅曼蛇』は、ほかにもアーケード版とはさまざまな部分で違いがあります。横と縦のステージが交互に切り替わるのはそのままですが、ステージ構成が大きく変化。中にはファミコン版のオリジナルステージも存在したため、アーケード版が大好きだった友人からは不満の声も聞きました。
しかし、当時のファミコンソフトとしては相当高品質なグラフィックを実現。BGMもアーケード版の名曲をかなり頑張って再現しており、ちょっぴり小ぶりになったものの、しっかりと巨大ボスも登場。ファミコンというハードの制約がある中で、可能な限りアーケード版を再現しようという製作サイドの熱意が感じられました。
オリジナルステージの存在も、ファミコンでは再現が難しいステージの代案としての苦肉の策だったのかもしれません。それゆえに、アーケード版『沙羅曼蛇』の移植作品としては満足できない部分もあるとは思いますが、個人的には1本のファミコンのシューティングゲームとして見たらかなりクオリティの高い、魅力的なソフトだと思います。
もっとも内容の変化はさておき、難易度の高さはアーケード版をしっかりと継承していたので、何度もゲームオーバーになりながらも先のステージを見るために頑張ったものです。
今回、数十年ぶりに遊んでみたところ、当時はノーコンクリアできたのにステージ1で全滅……。年のせいか腕が落ちていることに少々ショックを受けながらも、歯ごたえのあるシューティングゲームの面白さを久々に堪能できました。
それにしても『沙羅曼蛇』の青いスケルトンカセット(少々色あせて緑がかってますが)は、33年たった今あらためて見ても美しい……。鑑賞用カセットとして飾りたいくらいの、素晴らしい存在感がありますね。
(ふたまん編集部)