■画期的なゲームシステムに夢中!

 当時『ドラゴンクエスト』シリーズのような2DのRPGが流行していた時代に、『デジタル・デビル物語』は3Dダンジョンを採用。ちょっと目を離すと、自分がどこにいるのか分からなくなることに定評のあるシステムで、これが当時のチビっ子にはとっつきにくさがあったのは否めません。実は「難しくて全然進めない!」と友人が投げ出したのを借りたのが、このゲームとの最初の出会いでした。

 あの頃、時間だけはたくさんあったので方眼紙を片手にマッピングするのが楽しく、攻略本のお世話になることなく遊んでいました。ダンジョンに現れる強敵はたしかに強かったのですが、ゲームにならないほどの難しさではなかった記憶があります。

 とはいえ、これだけならごく普通の3DダンジョンRPGですよね。しかし少しずつ沼にはまっていくように『デジタル・デビル物語』ならではの、独自のシステムの面白さに引きこまれていったのです……。

3Dダンジョンはドラクエに慣れた子どもには難しかった?

■悪魔は敵であり、ともに戦う「仲魔」

『デジタル・デビル物語』は中島と弓子の2人がメインキャラですが、最大で5人パーティが組めるゲームです。では、残りの3人はどこから集めるのかというと、ダンジョンに出現する悪魔を仲間に……いえ“仲魔”にするのです。

 悪魔と会話し、いわば取引をして“仲魔”に引きこみ、悪魔召喚プログラムで召喚して使役する……そんな原作の設定を活かしながら、ゲーム独自のシステムとして昇華させたのは画期的でした。このゲームが発売されたのは昭和時代の1987年。まだ『ポケモン』も『ドラクエモンスターズ』も生まれてなかった時代ですから。

最初の頃は見た目だけで仲魔にしていたことも
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4