1990年11月21日に任天堂がスーパーファミコンを発売。これを受け、ずっと右肩上がりで来た初代ファミコンソフトの発売本数は1991年に初めて前年度を下回り、以降急激に減少していきます。そんなハードの世代交代のまっただ中にあった1991年8月30日、のちに“伝説”となるファミコンソフト『メタルスレイダーグローリー』がひっそりと発売されました。明日でちょうど29年目を迎えます。
HAL研究所より発売された本作は、異例の4年以上もの長い期間をかけて開発。のちに任天堂の代表取締役社長となる故・岩田聡氏がHAL研究所に在籍したときのことで、あまりにも開発費の回収が難しい状況にめったに怒らない岩田氏が経営会議で珍しく声を荒らげた、というエピソードも残されています。
ただ、そこまで手をかけたかいあって、完成した『メタルスレイダーグローリー』はファミコンとは思えないグラフィックの美しさと滑らかなアニメーションを実現。一部のマニアから「伝説のソフト」として絶大な支持を受けました。ただ流通した数が少なかったこともあり、のちに数万円もの値をつけるほどの超プレミアソフトとなって、その伝説にハクをつけることとなったのです。
当時、私も評判の良さは聞いていましたが、レアなソフトだけに時期を外すと手に入れるのは困難。しかし、発売から半年ほどたった頃、何となく立ち寄ったおもちゃ屋さんに1本だけ残っていました。
「ちょうど学校を卒業したことだし、ちょっと高いけど記念に買っておこうか」。そんな軽い気持ちの出会いが、自分の人生に大きな影響を与えるとはそのときは思いもしませんでした。