プールに行きたい!“恋と部活”の甘酸っぱい青春描いた名作「水泳部漫画」3選の画像
望月峯太郎『バタアシ金魚』第1巻より(講談社)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、今年の夏は旅行だけでなく海水浴場や大型プールも休業しておりシーズンスポーツも自粛ムード。かといって、ただ自宅で何もせずに過ごすのは“もったいない”と感じる人も多いだろう。こんなときには、気分だけでもプールへ行ったつもりになれれば自粛生活もなんとか乗り切れるはず。

 8月7日からはダイビング部の青春を描いた人気コミック原作の映画『ぐらんぶる』も公開開始となる。そこで今回は、プールと関連性の高い“水泳部”を題材にした青春漫画を3作品ご紹介。直接プールには行けずとも、漫画の世界観に浸ることで“清涼感”を味わえるかも。

■「おまえなんか大っきらいだ」あだち充が描く競泳漫画『ラフ』

 まず1作目は、『タッチ』『みゆき』『H2』などの“青春ラブストーリー”を世に送り出した漫画家・あだち充氏の名作『ラフ』。野球漫画のイメージが強いあだち氏だが、同作は“水泳”を題材にしており、またファンの間では「最高傑作!」との呼び声も高い。“高校競泳界”を舞台に、主人公の大和圭介とヒロインの二ノ宮亜美が織りなす“恋の物語”を描いた青春ラブコメ。高校進学と同時に水泳部に入部した圭介は、そこで出会った亜美から「人殺し」という言葉を投げつけられる。そんな出会いをしたものの、同じ寮で過ごすことになった2人は、いがみ合いながらもどこかでお互いに引かれ合い、そしてまたすれ違っていく。スポーツ漫画のハラハラ感と恋愛漫画のドキドキ感がともに味わえる“あだち節”は今作でも健在。圭介が亜美に放つ「おまえなんか大っきらいだ」など、名ゼリフや名シーン満載。

 1987年から『週刊少年サンデー』で連載されていた同作は、今もなおファンから絶大な支持を集める。コミックスは全12巻でワイド版は全6巻、文庫版も全7巻で展開されている。また2006年には、女優の長澤まさみ(33)と俳優の速水もこみち(36)のダブル主演で実写映画化。漫画、映画、小説と“自分好み”のメディアから参戦できるのも、同作の魅力の一つと言えるだろう。

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