■若さゆえの暴走が魅力的! 甘酸っぱすぎる青春『バタアシ金魚』
最後に紹介したい作品は、『ドラゴンヘッド』『座敷女』の望月峯太郎氏(現在の表記は望月ミネタロウ)による初連載作品『バタアシ金魚』。
男子高校生のカオルが、水泳部の女の子・ソノコへの“一目惚れ”から始まるラブストーリー。一見“純愛”に見える内容だが、カオルはソノコへ異常なまでの執着心を見せる。カナヅチなのに水泳部に入部し、カオルは幾度となく振られてもめげずに猛アタック。ストーカーばりの恋心の押しつけに嫌気がさしてしまうソノコだが、一心不乱に追いかけていくカオルに徐々に引かれだし、悩んでしまうことに。
そんなギャグ要素と“いちずな愛?”が織り交ざった同作だが、たびたび登場する心を打たれるセリフが好評で現在も根強い支持を集めている。また1990年には高岡早紀(47)、筒井道隆(49)といったキャストで映画化。少年時代の浅野忠信(46)もボウズ頭でチョイ役ながら出演していた。長年にわたって愛され続ける同作には、人々を魅了する何か不思議な力がある。また『バイクメ~ン』など作品にバイクを多数登場させる望月氏。本作でカオルがまたがる複数のバイクも必見(よく事故るためたびたび乗り換える)。
同じ水泳部と恋愛を題材にしているにもかかわらず、ここまで作者の個性が色濃く出ているのも3作品の面白いところ。ぜひとも今回紹介した3作品から、自分に合った“水泳部×恋”の作品を見つけてみてほしい。
(ふたまん+編集部)