■主人公の影が薄くなるほどの個性派ぞろい

 同作の主人公キャラクターは、飛び道具と突進技を備えた金髪の主人公のレイ・マクドガル。しかし“喧嘩百段”を自称する高校生(27歳)の溝口誠を始め、ほかの個性的なキャラクターのインパクトがすごすぎて、ちょっとレイが地味に感じてしまいます……。

 とくに溝口の存在感は類を見ないほどで「タイガーバズーカじゃ!」「チェスト! チェスト! チェスト!」といったボイスは今でも耳に残っているレベル。あまりにも人気がありすぎて、スーパーファミコン向けソフト『ファイターズヒストリー ~溝口危機一髪!~』がリリースされ、その濃いキャラクター性から他の格ゲーにまでゲスト参戦したほどです。

体を屈めて放つ溝口の必殺技「タイガーバズーカ」

 さらに柔道家の女子高生・嘉納亮子というキャラも登場します。先に説明した必殺技の派生で、巴投げから縦四方固めに繋げられる面白い戦い方ができるキャラで、仲間内の対戦では猛威を振るった存在でした。ちなみに、同時期にリリースされた「ワールドヒーローズ2」にも出雲良子(リョウコ)というJK柔道家が登場しており、当然どちらもあの金メダリストがモチーフ。なんというか、時代を感じさせてくれますね。

 ほかにも蟷螂拳の使い手で「暗殺拳の女王」こと劉飛鈴(リュウ・フェイリン)や、どこかで見たことがあるようなプロレスラー・マーストリウス、ムエタイ使いのサムチャイ・トムヤムクンなど、クセ者ぞろい。また、各キャラクターの必殺技発動時のボイスも特徴的で、あまりにもネイティブな発音すぎて技名が聞き取れず、“空耳ネタ”として扱われることもありました。

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