■SFC版の発売でさらなる深みへ!

 そんな『ファイターズヒストリー』のスーパーファミコン版が発売されたのが、今から26年前の94年5月27日。格ゲーは好きだけど、ゲーセンではあまり勝てない自分にとって、家で練習できるコンシューマー版の発売はうれしいかぎりでした。本作の特長である、キャラクター独特のかけ声まで頑張って再現されていて、当時のアーケードからの移植作品としてはよく出来た部類だったと思います。

当時の移植作としては出来栄えも良かった!

 この『ファイターズヒストリー』を開発したデータイーストは、アーケードゲームファンの間では“デコ”の愛称で親しまれ、個人的には超個性的なタイトルを作る「尖ったゲーム会社」という認識でした。独特すぎる世界観の『カルノフ』、不条理な展開や演出で話題となった『トリオ・ザ・パンチ』など、記憶に残る作品を数多くリリースしています。

 とはいえ、この『ファイターズヒストリー』は個性的すぎるキャラクターの設定周りに“デコ”らしさは出ているものの、格ゲーとしては比較的オーソドックスな作りだったのが自分としてはちょっと意外でした。

 操作は、6つのボタンで小・中・大のパンチとキックを繰り出し、特定のコマンドで必殺技を出せる「スト2」同様のスタイル。そして当時スト2で苦手な人が多かった昇竜拳コマンドや、レバー1回転のコマンドは採用されておらず、初心者にも必殺技が出しやすい点がうれしかったです。

 また、コマンドの追加入力で必殺技が派生するシステムをいち早く取り入れたタイトルでもあります。これにより連続コンボを決める爽快感も相まって、攻める楽しさが倍増した印象がありますね。

 ちなみに、続編の『ファイターズヒストリーダイナマイト』は、SNKのアーケード筐体向けにリリースされたことで、パンチとキックが4ボタンの方式に変更。ボタンは減ったもののコマンド必殺技が増え、初代とはまた違ったプレイ感覚でした。登場キャラの一人、ジャン・ピエールの必殺技「ロンダート」は、「前方向に歩きながら溜める」という革新的なコマンドが採用されて話題になったので、覚えている人も多いかも。

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