みなさんこんにちは、ファミコン芸人のフジタです。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月末までの緊急事態宣言の延長が発表され、世の中がまさに『AKIRA』のようになってます。
さんざん語られているので今更言うことでもないですが、2020年のオリンピック会場が東京で、しかもそれが中止になっているという描写があったり、伝染病についての描写があったり。作中での描写と現実に起こっていることがあまりに酷似していることから、大友克洋さんの漫画『AKIRA』がこの春「予言だ」と大きな話題になりました。
AKIRAといえば、当時連載されていたヤンマガでも大人気で、その後大友さん自身が手がけたアニメ映画が大ヒット。世界中のクリエイターに影響を与えた作品ですが、そんな同作は、実はファミコン版も出ていました。映画のパンフレットでも発売を告知していて、ゲームのすごさをアピールしていました。
アニメが公開されたのと同じく、1988年の12月24日にタイトーから発売されたファミコン版『AKIRA』。映画版を元に作られていて、ゲーム内容は、選択肢で進んでいくアドベンチャーゲーム。荒廃した近未来の都市・ネオ東京を舞台に、主人公の金田が「アキラ」の謎に迫るというものです。
オープニングムービーから、金田のバイクなども登場し、鉄雄が突然高速道路にあらわれたタカシとぶつかる冒頭のシーンもあります。グラフィックが非常にきれいに作られており、期待値は最高潮に上がります。しかし、いざゲームを始めてみると……即死! 即死! 即死! もしくは、金田が牢獄に入れられた画面での、逮捕! 逮捕! 逮捕! の連続で、ゲームオーバーの嵐。難易度の超高い理不尽ゲームになっているんです。
たとえば、映画冒頭にもあった、金田が反政府ゲリラの女の子・ケイちゃんをナンパしようとするシーン。突然過激派の学生が手榴弾を片手に飛び込んでくるんですが、ここでは、
「さけぶ」
「あわてる」
「おどる」
「にげる」
「飛びかかる」
「ふせる」
「みつめる」
「いのる」
などの選択肢が出てきます。映画の金田と同じように「さけぶ」から「ふせる」という行動を取れば問題なく先に進めるが、それ以外はひたすらアウト。「しゅりゅうだんはバクハツしてしまった……。かねだしょうねんは死んでしまいました。」とゲームオーバーになってしまいます。