■アイドルゲームとは思えない「闇の深さ」に引きこまれる!?

 本作は、4つのアイドル事務所が集まるビル「アンサンブルスクエア」が舞台。その事務所のひとつ「スターメイカープロダクション」に所属している、売れないアイドル「天城一彩(あまぎひいろ)」「白鳥藍良(しらとりあいら)」「礼瀬マヨイ(あやせまよい)」「風早巽(かぜはやたつみ)」は、夏に行われる音楽フェス「MDM」で結果を出さなければ解雇すると宣告されてしまいます。この4人がユニット『ALKALOID』を結成し、フェスの成功を目指すという物語です。

 4つのアイドル事務所は、所属アイドル同士をライブバトルで競わせ、人気を奪い合う立場。そこで活動するアイドルたちの関係性もドロドロしている点が目につきます。

 たとえばメインキャラの1人である天城一彩は、アイドルになるために故郷を離れた兄の「天城燐音(あまぎりんね)」を取り戻すために行動。そのため、なぜか“アイドル”自体を憎んでいて、アイドルの概念を滅ぼそうともくろんでいます。

 ちなみに別事務所でアイドル活動をしている兄の燐音も、有名アイドルユニットのライブでケンカを吹っかけ、場を荒らして売名行為をすることも……と、なかなか濃いキャラクターたちです。

 遊んでみて感じたのは、登場人物のほぼ全員が「ギラギラした野心を抱えて行動している」という印象。キラキラしたアイドルゲームとは思えない「劣等生」「無駄」「犠牲」といった辛らつな単語が飛び交う、思いのほか闇の深い世界観に衝撃を受けました。

 そんな、ある種リアリティを感じる設定だけに、ストーリーの随所に張られた“伏線”が気になってしまうのも事実。ついつい『あんスタM』の世界に、引きこまれてしまいます。

発言はトゲトゲしいが画像はとても美しい!
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