ファミコン版も好評だった『熱血硬派くにおくん』はアクションゲーム界の“革命児”!?の画像
画像はファミコン『熱血硬派くにおくん』(編集部撮影)
全ての写真を見る

 ファミコン世代なら、一度は「くにおくん」シリーズの名を聞いたことがあるはず。3頭身にデフォルメされたキャラがドッジボールやサッカー、運動会などをモチーフに、ラフプレー上等で競い合うゲームをイメージする人が多いのではないでしょうか。中には最強の高校「れいほう」を誰が使うかでモメて、友だちとリアルファイトに発展……なんて思い出がある人もいるのでは?

 しかし、くにおくんのデビュー作『熱血硬派くにおくん』(テクノスジャパン)は、タイトルが示す通り、頭身がリアル寄りの“硬派”なアクションゲームでした。1986年にアーケードゲームとしてリリースされた『熱血硬派くにおくん』は、翌87年4月17日にファミリーコンピュータ用ソフトとして移植。本日、ファミコン版『くにおくん』は発売から33年を迎えたことになります。

 ファミコン版の『くにおくん』が発売された頃は、80年代初頭に巻き起こったツッパリブームはひと段落。当時の子どもたちの間では、『コロコロコミック』や『少年ジャンプ』といった漫画誌や、ファミコンゲームの話題が中心でした。そんな中、ファミコンで発売された『熱血硬派くにおくん』は画期的なゲームシステムで、本当に面白かった1作として記憶しています。

ファミコン版『熱血硬派くにおくん』タイトル画面

■ベルトスクロールアクションのベースを確立

 当時のアクションゲームは『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)に代表される横スクロールアクションが主流だったため、ステージに奥行きがある『くにおくん』のゲーム画面はかなり斬新でした。

 この「やや斜め上から見下ろすような視点」や「敵を全滅させると次の進路が示される」といったゲームシステムは、のちに「ベルトスクロールアクション」の呼び名で一世を風靡するゲームジャンルの基礎を確立していたと言えるかもしれません。しかも、敵キャラはプレイヤーの攻撃を避ける動きをしてくるので、比較的パターン化された従来の横スクロールアクションの敵とは、まったく異なる面白さがありました。

 主人公・くにおくんの操作は、十字キーで移動、Aボタンで右側に攻撃、Bボタンが左側に攻撃という、実にシンプルなもの。ただ、くにおくんが敵のどちら側にいるか、敵とどのくらい離れているかで繰り出す攻撃が切り替わるので、最初は慣れが必要だったことを覚えています。

 また、攻撃がヒットした敵は一瞬ひるみ、その間に近づいてつかむことも可能。ひざ蹴りや背負い投げをお見舞いすることができます。ほかにも、倒れた敵に近づいて下に十字キーをいれると馬乗りになってダウン攻撃をしたり、ABボタンを同時押しでジャンプキック、方向キーを横に2回入れてダッシュなど、とにかく多彩なアクションがめじろ押し。

 ちなみにこのゲームは、ジャンプキックを中心に立ち回るだけで、比較的カンタンに先まで進めたりしますが、わざといろんな技を駆使して、友だちに“魅せプレイ”を披露したこともありました。

ジャンプキックはかなり効果的な攻撃手段!
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4