■「パノン」って「てんくうのかぶと引換券」じゃないの?
『ドラクエ4』をプレイした人であればなんとなく覚えているかと思いますが、パノンはマーニャが踊り子として働いていたモンバーバラの劇場で活躍する旅芸人で、スタンシアラの王様を笑わせるという目的のために仲間になってくれるキャラクターです。
スタンシアラ王とのイベントが終了するとそのままパーティから離脱してしまうため、モンバーバラとスタンシアラをルーラで行き来するなどした場合、一度も彼が戦闘に出ることなく終わるなんてこともしばしば。
そのため「え、パノンって強いの?」「笑わない王様イベント用キャラでしょ?」というかわいそうなイメージを持たれてしまっていますが、彼の真価は戦闘にこそあるんです。
パノンは「まどろみのけん」「みかわしのふく」「きのぼうし」を装備しています。あまり強そうな装備には見えませんね。しかし実はこの「まどろみのけん」、ファミコン版では敵のラリホー耐性を無視して眠らせることができる仕様となっており、ボス相手でも殴っているだけで眠らせてくれるという神アイテムなのです。
装備できるのが主人公とライアンのみ、であるためパノンを含めれば4人中3人が耐性無視の眠り攻撃ができる「最凶パーティ」を形成することが可能でした。
しかし、のちのリメイク版では「さすがにやばい」「ボスまで眠るのはアカン」とバレてしまったのか、まどろみのけんの効果が修正され、ラリホー耐性を無視することができなくなってしまいました……。これによりパノンも弱体化してしまう……、かと思いきや! なぜかPS版のパノンの攻撃は耐性を無視した眠り効果が継続したのです! 最強! 最強!
実はパノンの「まどろみのけん」の効果は武器により発生しているものではなく、「眠り攻撃」という技を使ったときに発動する効果として発生していたものでした。
そのため効果修正の対象にならなかったのです。
パノンは最長でエスターク戦までであれば連れていけるので、そこまでの道中は(PS版までであれば)どんな敵でも眠らせることができるという、芸人としてはあるまじき最強の力を手にした「戦士」として活躍をしてくれます。