■打倒川島! 東京四天王が集結した東京VS大阪の大抗争
最後は、これまで拳を交えてきた四天王がタッグを組んだ熱い戦い「大阪抗争編」を振り返りたい。
太尊が故郷の大阪に足を運んだ際、弟の用高が極東高校の川島清志郎に病院送りにされる事件が勃発する。
極東は仲間意識の強い東京の面々とは対照的に、川島の力で統制されている学校だ。太尊は弟自身に復讐を果たさせようと考えるも、川島に舐められたことが気に食わず喧嘩を売りにいく。そして後日、極東高校が東京に修学旅行にきたことで、事態は「東京VS大阪」の大抗争へと発展していく。
この川島という男もまた、葛西同様に強さの裏に悲しい過去を背負っていた。大切な兄をやくざに殺され、その復讐を果たすために極東高校の生徒たちを組織的にまとめあげていたのである。
だが、その組は復讐の前に崩壊。行き場のない怒りと、仲間からも強さを利用される現実だけが残った。東京にやってきた極東はあちこちで喧嘩を売り、その火種は四天王たちの元へも届く。そして集まった鬼塚、薬師寺、太尊の元に葛西も加わり、川島を倒すべくたった4人で150人の極東生と対峙する大乱闘へと発展する。
互いに憎まれ口を叩き合いながらも四天王が手を組む構図はまさに胸熱。個人的には葛西VS川島も見たかったが、四天王は太尊の道を開けるために死闘を繰り広げ、ついに太尊が川島の元に到達した。
だが、太尊は小銭を片手で曲げるほど高いフィジカルの持ち主を相手に、苦戦を強いられる。パワーで圧倒されながらも太尊は根性で立ち上がり、蓄積されたダメージに疲労を見せる川島の隙を突き、大技が決まるのだった。
太尊に寄せられる信頼が、川島の心を動かした部分は大いにあっただろう。最後に彼は自分を裏切ろうとした仲間を命がけで助け、漢を見せた。川島もまた、太尊との喧嘩を通じて大きく成長した人物の1人といえる。
『ろくでなしBLUES』に描かれた激闘の1つ1つが色あせないのは、単なる強さ比べだけではなく、拳を交えるなかでそれぞれの葛藤や友情が生まれ、彼らの成長まで描かれているからだろう。激しい喧嘩の裏にある人間ドラマこそ、本作の大きな魅力なのである。


